
近辺の過去の6月最高気温を調べました。2010年が23℃、15年が26.4℃、20年が24℃で大きな変動は見られません。しかし、今年は平年値に比べて平均気温で3~5℃、最高気温も2~5℃の上振れを記録。これが季節のピークの前倒しであれば何となく気が楽なのですが。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告では、「日本は地球温暖化による気温上昇が世界平均より早い国の一つ」とされています。
家づくりの現場では、雨仕舞のために屋根、外壁下地までの外部工事を優先します。高気密高断熱住宅の普及で、外部の断熱・防水・気密処理などの仕事量も増えていますが、建物性能向上のために不可欠であり、工程を省くことはできません。
日中の気温が1℃上がるだけで「暑さ指数」も1ポイント前後上昇し、熱中症のリスクが「注意」から「警戒」や「厳重警戒」に進みます。これにより、作業者の体温や心拍数が上昇し、集中力や持久力が低下。作業効率が10〜20%落ちるとも言われ、結果として事故発生リスクも上がり、工程の遅れにつながります。肝心なのは、外工事を手際よく行い内部作業へ移行することです。我々のつくる建物性能の高い家は、外部を囲ってしまえば温度上昇をある程度抑えられ、作業環境が安定するので室内を冷やすことで大きな改善が望めます。
タイトルは、吉田兼好『徒然草』に出てくる言葉です。冬の暮らしを快適にする家づくりをしてきましたが、この暑さに堪える「夏も旨とすべし」に戻っています。
筆者:鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 会長
一級建築士
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