
前回に続いて現場の話です。建設現場はよく3Kと表現されていました。きつい、汚い、危険の3Kです。大きく状況は改善されましたが、近年は地球温暖化による異常気象が懸案です。地球の平均気温は19世紀後半(産業革命)から2023年までの間に約1.2℃の上昇を記録し、23年は観測史上最も暑い年になりました。25年はそれを上回りそうな暑さで、日本でも各地で40℃越えの記録が見られます。
住宅の建設現場は野外工事が基本で、基礎・建方・屋根葺き工事は太陽から逃れられません。特に屋根などの板金工事では、真夏は板金類が触れられないほどの熱さになると10年以上前から聞かされていました。空調服に身を包みフードを被って頑張ってくれていますが、暑さは想像を絶します。
25年6月から工事現場での熱中症対策が義務化されました。現場では空調服の着用や水分と塩分のこまめな摂取、声掛けに努めています。建物が覆われた段階で現場用のエアコンを設置して一軒丸ごと冷やし、大工や各種職人の作業環境改善にも努めています。現場は出入りが激しく解放しがちですが、エアコンの効果は多大です。
また、休憩時間を長くしたり頻繁に取ったりする必要も生じてきます。工期に影響が出て遅れにつながるようであれば、お客様にご理解いただき工期の延長をお願いすることにもなります。体調第一に進めていますが、負担も大きくなっていく建設現場。この異常気象による高温で、もう一つ「K」が付くのでしょうか。
筆者:鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 会長
一級建築士
株式会社 鈴木工務店
町田市能ヶ谷3-6-22
TEL:042-735-5771
WEB:https://www.suzuki-koumuten.co.jp/
Facebook:@suzuki.koumuten.1887
Instagram:@suzukidesign_build
タグ: MYTOWN SHINYURI 鶴川











