暮らしのコラム 住まい
 
冬を快適に過ごせる家は健康的な暮らしを支えます。寒暖差が激しい時期でも室温を一定に保てれば、住宅内でのヒートショックを防ぎ、暮らしも楽になります。一方で、換気不足や空気の停滞、乾燥などが生じやすいのも事実。特に日本の冬は乾燥しがちです。室内の熱を回収しながら換気を行う熱交換換気システムの他、機器に頼らない工夫としては植物を配置して湿度を上げ、空気をきれいにするという方法もあります。
 
室温は、断熱性の高い窓や床、壁、天井にすることで安定させることができます。断熱性能を高める家づくりは初期投資が必要ですが、長期的には暖房コストの削減につながります。暖房器具の使用を最適化することも大切で、断熱性能の高い家では留守中もエアコンは省エネモードでの連続運転をすすめています。電気代は間欠運転と変わりなく、快適な環境を保つことができます。
 
また、心地よい室内環境を保つ家づくりは、コストとのバランスが重要です。自然な方法やエネルギー効率の良い設備(エアコンはその代表格)を活用しつつ、暮らしの工夫も求められます。初期投資は必要ですが、長期的には健康的で快適な暮らしが叶います。
 
国も2050年のカーボンニュートラル実現に向けて省エネ住宅への助成を継続しています。「省エネ住宅2024キャンペーン」も令和5年度の補正予算案に盛り込まれました。地方自治体の補助事業も確認しながら上手に活用したいものです。
 
 
筆者:鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 会長
一級建築士
 
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