暮らしのコラム 本
 
皆さん、今年の新米は食べましたか。甘く香り適度な粘り気のある新米を味わうのには、やっぱりおにぎりが一番! 「おむすび」ともいいますね。形は、大きく分けて丸と三角の2種類。もとは神様にお供えするための形、餅も団子も丸めて作るのが基本だったのでしょう。コロコロ転がってネズミ穴に入ったのは丸かったはずです。
 
いつから三角になったのか? それはお弁当として野良仕事に持っていけるようになる程、人々の暮らしが豊かになってからなのではないでしょうか。貧しかった頃、普段は大根飯や雑穀を混ぜたおかゆしか食べられなかった人々にとって、真っ白な銀シャリの握り飯はおいしくて力の付くごちそうだったはずです。握ったほうが茶碗によそうよりたくさん食べられますよね。それに三角は手のひらで握ったときに自然につく形、丸めるより大きくできます。野外で食べても転がっていきにくいでしょう?
 
『にぎりめしごろごろ』は、おにぎりが転がっていく昔話。自然の中の人間の姿が、赤羽末吉の絵で可笑しみたっぷりに描かれたすてきな絵本です。読んだらおにぎりが食べたくなること間違いなし。自然の恵みに感謝して、新米を味わいたいものです。
 
絵本イメージ
『にぎりめしごろごろ 日本の昔話』
再話:小林 輝子
画:赤羽 末吉
出版社:福音館書店
 
 
児島さん
コラム筆者:児嶋 充子(こじま あつこ)
 
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