残暑が厳しい中、築40年の住宅を解体しました。建て替えを進めています。解体後、東隣の住人から、「西日が当たって壁と部屋が暑くて困る」「早く家を建てて」と要望が出ました。隣家も築40年ほどの家で、断熱・気密また開口部は西面にはありませんが、性能がまっとうではないようです。断熱材が入っていない可能性も。日射熱が壁を通して室温を上昇させ、挙げ句に壁が蓄熱体になっているようです。これが冬であれば逆の状況で温かくていいという話になるでしょうが、今度は外の冷気にさらされて室内の熱を奪います。
かやぶきの可喜庵も夏季はエアコンが必要です。かやぶき屋根は厚さもあり断熱性能はいいと思います。しかし、屋根と外壁とは連結されておらず、空気を通すために空いています。昔は玄関周りに土間があり、夏は土の冷却機能で涼しい空間となっていました。床をつくったことで土間がなくなり、冷却してくれません。周りの環境も住宅が密集して激変し、熱を蓄えるばかりになってしまいました。そして、風が通り抜けず残暑を助長します。本来、古民家は開口部が多く風通しの良いつくりなのですが。
最近の街並みを見ると、南面には大きな窓を設けますが、北面は熱が逃げるだけと窓を設けず、あっても小さな窓のみの家が多くなりました。四季があるのですから大きな窓を、抜ける風を楽しむ窓の配置とプラニングが大切ではないでしょうか。気持ちもおおらかになると思います。さて、あなたは今どんな家に住んでいますか?
筆者:鈴木 亨(すずき とおる)
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一級建築士
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