暮らしのコラム 住まい
 
例年にない横綱級の寒気の中、1月28日に麻生不動尊恒例のだるま市が開催されました。ちょうどその頃、NHK「クローズアップ現代」で「家が寒すぎて危ない」が、テレビ東京「ガイアの夜明け」では「寒い冬を乗り越える」が放映されました。前者は「断熱性の低さで、住宅の約9割が20年前の断熱基準すら満たしていない」、後者は「寒くない家づくり」の紹介で、「自然の力を活用してパッシブ(受動的)に住環境を整える。壁や天井の断熱性と気密性を高める」、結果「省エネルギーでも快適な家」を実現できるという話でした。国が大きく脱炭素へかじを切り、住宅の温熱環境改善に乗り出しました。推奨室温は18℃以上で、個人的には21℃以上がおすすめです。
 
我が家は浴室と脱衣室の扉は使用時以外閉じず、通路にも開いたままです。どこも室温を一定にしておくためです。入浴後の扉の開放で湿気が脱衣室に入りますが鏡は曇りません。寒く乾燥する時期は浴室の換気扇は停止状態にしています。
 
冬の朝、室内・外の温度と絶対湿度を計測してみました。戸外は1.2℃、絶対湿度2.5g/㎥、室内は20.1℃、絶対湿度6.8g/㎥(相対湿度約40%)で、戸外の乾燥度が分かります。寒い時期に窓を開けて外気を取り込むことはないと思いますが、換気では室内の空気を排気する分だけ外気を取り込むので、乾燥が進みます。湿度低下はインフルエンザウイルスを元気づけることにもなります。健康で省エネな暮らしには、換気も考慮したパッシブな住環境を叶える高気密・高断熱住宅への改修や新築が求められます。
 
 
筆者:鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 会長
一級建築士
 
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