代襲相続とは、相続人となる人が、相続が開始される前に亡くなるなどして相続する権利を失った場合に、その人の子が、その人に代わって相続することをいいます。例えば、Aさんには子Bさん、孫Cさん、ひ孫Dさんがおり、Aさんが亡くなる前にBさんが亡くなっていた場合、Aさんの相続においてCさんが相続人となります。Aさんが亡くなる前にBさんもCさんも亡くなっていた場合には、Dさんが相続人になります(この場合を再代襲相続といいます)。Aさんには弟Eさんがおり、Eさんには子Fさん、孫Gさんがいる場合、Aさんが亡くなる前にEさんが亡くなっていると、Aさんの相続においてFさんが相続人になります。しかし、兄弟姉妹については再代襲相続が認められないため、Aさんが亡くなる前にEさんもFさんも亡くなっている場合、Gさんは相続人にはなれません。
代襲相続は、相続人となる人が、(1)相続開始前に亡くなっている場合のほか、(2)相続人としての欠格事由がある場合(被相続人を故意に死亡させて刑に処せられたり、被相続人の遺言書を偽造したり破棄したりしたような場合)、(3)相続人として廃除された場合(被相続人を虐待するなどしたために、家庭裁判所が被相続人の請求によって排除の決定をしたような場合)に発生します。
なお、相続人が相続の放棄をした場合(家庭裁判所に被相続人の権利や義務を一切受け継がない旨の申し出をした場合)には、代襲相続は発生しません。
筆者:福田 隆行(ふくだ たかゆき)
弁護士
第二東京弁護士会
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