2015年温暖化対策 COP21で掲げられた目標です。「世界の平均気温を産業革命以前のプラス2℃以下、さらにプラス1.5℃まで抑える努力をする」。極端な高温による猛暑日や大雨など、自然災害の発生を抑えるために温度上昇を1.5℃以下に抑えることが求められています。既に1℃温度が上昇しているとか。国は2050年まで温室効果ガス排出ネットゼロの脱炭素社会を宣言し、 2030年までに46%削減の目標を掲げました。住宅部門の削減は66%で、部門別では最も大きい削減率になっています。
我が家の10月の電気使用量を昨年と比較してみました。使用量はほぼ同じでしたが、コストは23.5% UP。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の急騰が大きな原因とはいえ驚きです。家庭におけるエネルギー安全保障の問題と認識を変えた方がよさそうです。
脱炭素社会に向けた住まいづくりは、(1)徹底的な省エネ、(2)脱炭素の創エネです。(1)は建物の高断熱化です。国の基準も厳しくなりましたが、当社では既にエアコン1台で30坪ほどの家を冷暖房できる住宅性能を確保。太陽熱の取得、遮熱対策の建築的工夫もしています。(2)はソーラーパネルで電気の自家消費を賄う。深夜電力の割安感が少なくなった分、昼間の余剰電力で湯を作るのも一つ。家計の経済的メリットは大きいです。設備費用の回収年数は14年程度。電気料金高騰を踏まえると、太陽光発電の余剰電力使用で2年程度の短縮ができる試算もあります。ソーラーパネルは、30年は活躍してくれそうです。
筆者:鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 会長
一級建築士
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