子どもの本の力を信じていたイエラ・レップマンは、戦争で傷ついた子どもたちに笑顔を取り戻したいと考え、「子どもの本で平和を作ろう」と20か国に手紙を書きました。そして1945年、寄せられた4,000冊の本の展示会が開かれることに!『 子どもの本で平和をつくる』では、その展示会で戦いが嫌いな牛・フェルディナンドのお話『はなのすきなうし』と出会った姉弟のストーリーが語られています。その後4つの都市を巡回した展示会では、本を持って帰りたいと強く願う子どもたちのために、『はなのすきなうし』を翻訳し3万部印刷してお土産にしたそうです。
1949年には「世界の子どもの本の図書館」(ミュンヘン国際児童図書館)ができました。「この混乱した世界を正すことを、子どもたちから始めましょう。そうすれば子どもたちが大人たちに、進むべき道を示してくれるでしょう」「他の国々から届いた本を見ることによって、子どもたちは、お互いにつながっていると感じるでしょう。戦争がまた始まらないようにするには、それが一番ではないでしょうか」というイエラの言葉は、今の私たちにも響いて胸が熱くなります。
『子どもの本で平和をつくるーイエラ・レップマンの目ざしたことー』
文:キャシー・スティンソン
絵:マリー・ラフランス
訳:さくまゆみこ
出版社:小学館
『はなのすきなうし』
文:マンロー・リーフ
絵:ロバート・ローソン
訳:光吉夏弥
出版社:岩波書店
コラム筆者:米倉 由布子(よねくら ゆうこ)
白山子ども図書館ほんの森
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