暮らしのコラム 住まい
 
酷暑が過ぎ、季節を愛でる時期になりました。弊社のモデルハウスに、ガラス面が広い窓があります。通常2間(3.65m)幅の窓は4枚の障子で構成されますが、ここでは1間(1.82m)幅2枚のガラス戸です。同じガラス面積でも開放感があり、秋のお月見も楽しみが違います。
 
さて、省エネルギーを開口部から考えてみます。ポイントは大きく3つ。(1)暖房負荷、(2)冷房負荷、(3)照明負荷の軽減です。(1)は複数枚のガラスの間に中空層を確保して多層にするペアやトリプルガラス、Low-Eペアガラス、さらには中空層にアルゴンガスを入れて断熱性をさらに向上させたガラスなどが有効です。(2)について、夏の日射が入って室内が温室になった経験はありますでしょうか。解消するには、日射の流入を抑えるガラスが必要です。高遮熱性能熱線反射ガラスや遮熱断熱Low-Eガラスの使用は効果があります。(3)は窓から光を多く取り入れて照明負荷を軽減することです。可視光線の透過率の高い透明なフロート板ガラスを使用します。
 
夏は光を取り込んで明るく、しかし日射は遮蔽したい。冬は日射を多く取得して陽だまりを室内に作りたいと、矛盾することになります。同じLow-Eガラスでも、南面には冬の日射取得を最大限に考慮したガラスを、北面は断熱性能の高いガラスを選びましょう。窓からの熱の出入りは50~70%とも言われており、ガラス面は家の温熱環境を左右し、健康な暮らしに大きく影響します。暑くもなく寒くもなく、明るすぎない「ちょうどよい」家での暮らしを見つけてください。
 
 
筆者:鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 代表
一級建築士
 
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