「線状降水帯」は、以前は耳慣れない言葉でしたが、今では耳にタコができるほどです。8月末に襲来した台風10号は鈍く迷走するタイプで、突然バケツをひっくり返したような雨を降らせました。会社の庭はクローバーで覆われていますが、そこを雨が一面覆い、池の様相を呈していました。庭にある排水用のマンホールのふたを開けてみたのですが、水がはけません。道路も川状態です。雨水本管が満杯で、内水氾濫かと思いました。集中豪雨の水量と、水位の変化の速さを実感しました。
私が小学校低学年の頃に、鶴見川とその支流の真光寺川があふれて、小田急線の線路と家の前の田んぼが冠水。前を流れる小川の石垣を超えることはなく、ぴしゃぴしゃと波が打ち寄せていた光景は今でも鮮明に覚えています。
ハザードマップで、洪水、土砂災害、地震は確認し、対策すべき項目に沿って計画を進めます。例えば、川の氾濫危険地区に建築した家は道路面から予想氾濫高さを超えて敷地をかさ上げしました。車庫は上げることができず、スキップフロアの家になりました。
台風の強大化や集中豪雨の発生は温暖化の影響と考えられますが、異常な暑さは職人の労働環境にも悪影響を与えています。住まいの高断熱化は現代住宅に必須のテーマですが、そうした住宅では、エアコン未設置の工事中現場であっても室内に入ったら涼しく感じたと、屋根屋が言っていました。断熱性能の高い住宅は、建築中から人の健康を守っているのかもしれません。
筆者:鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 会長
一級建築士
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