プランは美しい家の出発点。プラン作成時にはたびたび離れて眺めます。小学生の頃、先生から「絵を離れて眺めなさい」とアドバイスしてもらった記憶があります。絵が違って見えたのを覚えています。離れることで、全体のバランスが認識できるのです。プランニングの段階で計画案を俯瞰(ふかん)して、部屋の配置、大きさ、動線などをつかんでいきます。プランニングは美しい家の出発点です。
2回目は、家が構造体として形になる建て方(土台、柱、はり、桁の骨格が立体化する瞬間)です。プラン、木組み(構造)、材料などの調和が重要です。骨組みの見える家づくりをしています。多くの家は自然素材の木を隠し、その上から張った素材の新品時が最も美しく、後は劣化していくだけの仕上げに満足させられています。木は経年で割れ、時にはねじれの変化が出ますが、目を楽しませてくれ、呼吸もしています。空気感が違います。
3回目は、完成したときです。家財道具などがなく、純粋に空間の美しさを堪能できます。木目、色合い、節の具合など個性ある木材と白い壁とのコントラスト、自然光が織り成す時間の変化による光と影が空間に動きを与えます。
そして、期待を超える美しさを感じられるのは、住み手の暮らしのセンスと発見が作り上げた空間です。たびたび、考えてもみなかった感動する美しさを経験しています。つくづく、空間は生き物だと思わされます。住まい手の暮らしに気付きの手助けができる設計を心掛けています。
筆者:鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 会長
一級建築士
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