暮らしのコラム 住まい
 
新型コロナウイルスの感染が拡大しています。感染源の特定が困難な状況です。ちょっと出かける気分になれない不便さと不安を抱えています。私は会社まで徒歩ですが、社員は電車通勤のため不特定多数との接触があります。また、人との接触は仕事上も避けられず、我々の場合は顔を合わせてお客様の話を聞く必要があります。
感染予防対策の基本は、手洗い・うがいのようです。ちなみに、予報では今年の花粉は例年に比べて少ないとか。家の花粉症対策は、室内に花粉を侵入させないこと。帰宅時は玄関外で衣服に付着した花粉を落とすことが一番大事です。換気扇にはフィルターを装着し、小まめな掃除も必要です。
さて、感染予防の「家での水際対策」を考えてみます。庭の水まき、車の洗車用に外水栓を設けることがあります。帰宅時速やかに手洗いをしたいので、玄関のすぐ脇に洗面を設けることもありますが、例外的です。玄関のドアノブは小さいながら、出入りする全ての人が一度は接触するところで、まさに感染源のおおもとの一つです。
そこで、温故知新。可喜庵には堀抜きの井戸があります。昔は飲料水として使っていましたが、井戸の脇は手洗いや足を洗う場でもありました。神社には参拝のために身を清める手水舎と呼ばれる水屋があり、日本人にとっては外で手を洗う行為はなじみがあると思います。玄関近くに手水舎ならぬ、格好のいい水場を設置して、暮らしの健康を守る手段にするのも実益と風情があります。
 
 
筆者:鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 代表
一級建築士
 
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