野武 重忠さん

ジョン万次郎・メモリアル・オーケストラ代表
野武 重忠さん

 
 
9月24日、昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワで「ジョン万次郎・メモリアル・オーケストラ」による「万次郎生誕190周年記念コンサート」が催されます。同オーケストラを立ち上げたのはジョン万次郎の曾孫にあたる野武重忠さん。
 
中学2年生の時、たまたま友人のいた吹奏楽部を覗いていたところ、軍楽隊に在籍経験のある指導者の目に留まり、トロンボーンを吹いてみるように言われたのが音楽の世界に関わることになったきっかけ。東京芸術大学卒業後、「読売日本交響楽団」のトロンボーン奏者として活躍。26歳の時に渡米し、「ボストン・ポップス・オーケストラ」常任指揮者だったアーサー・フィードラー氏の指揮で北米やカナダなどを周り、3か月間で42回の演奏会を開催。「東洋人としての人種差別を体験しながらも、あらゆるもののスケールの差に触れるうち、寛い気持ちを持てるようになり、現在の自らの礎にもなりました」と野武さん。
その後、東京芸術大学や東邦音楽大学、洗足学園音楽大学で多くのトロンボーン奏者を育てあげ、アマチュアオーケストラや吹奏楽団の指揮・指導にもあたってきました。1976年から指導してきた川崎吹奏楽団では定期演奏会をはじめ、ハッピーコンサート、東高根森林公園での東日本大震災チャリティーコンサート、高石保育園鑑賞会など、2012年までに120回以上のコンサートを開催。昨年からは川崎吹奏楽団OBからの希望で立ち上げた「JBウィンド・バンド」を指導しています。
 
「今、中高生の間でも吹奏楽はコンクールなどが盛んで注目を浴びています。部活動などで演奏している若者は、せっかくやっている音楽をこの時だけで終わらせないで。卒業後、遠ざかる時期があっても、必ず自分のやっていた音楽を思い出して戻ってきてほしい。子育てが一段落し、猛烈会社員時代が落ち着いた時に、ブランクが20~30年あっても復帰できる場所を、ぜひ探してみてほしいと思います」
 
ジョン万次郎生誕190周年の今年、記念コンサートを企画したところ、半年間で多くの人の賛同・協力を得、同じ年に亡くなったベートーベンにちなんだプログラムでのコンサート開催が実現。10年後の200周年記念を目標に、今回は第1回。聴きどころは何といっても、昭和音楽大学卒業生でリスト国際ピアノコンクールの優勝者、後藤正孝さん演奏によるピアノ協奏曲。万次郎のルーツに興味を持っている人には、歴史についても発見できることがあるかもしれません。
 
 
読売日本交響楽団金管楽器メンバーと
読売日本交響楽団金管楽器メンバーと(1970年8月)
 
定期演奏会の様子
6年間指揮、指導にあたってきた川崎吹奏楽団のコンサート(写真は1991年、川崎市幸市民館での第20回定期演奏会)
 
練習風景
ジョン万次郎・メモリアル・オーケストラの練習風景。「このコンサートは自らの集大成とも言えます」と野武さん。来年6月9日には大田区民館(アプリコ)で、第2回コンサートを予定。
 
 
[INFORMATION]
ジョン万次郎・メモリアル・オーケストラ 万次郎生誕190周年記念コンサート
開催日時:2017年9月24日(日)15:00開演(開場14:00)
会場:昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワ(麻生区上麻生1-11-1、小田急線・新百合ケ丘駅南口より徒歩4分)
指揮:野武重忠(ジョン万次郎の曾孫)
出演:ジョン万次郎・メモリアル・オーケストラ、後藤正孝(ピアノ)
曲目:ベートーヴェン/エグモント序曲、ピアノ協奏曲第5番(皇帝)、交響曲第5番(運命)
料金:1,000円(全席自由・税込)※当日券販売有
※未就学児入場不可
※曲目は変更となる場合有
 
 
【お問合せ】
ジョン万次郎・メモリアル・オーケストラ(野武)
TEL:090-2401-9245