近藤 文雄さん(麻生区在住)
音楽療法セラピストとして活躍する、元センチメンタル・シティ・ロマンスのドラマー近藤文雄さん。2009年から弾き語りライブを始め、「音楽を楽しみながら、人とのつながりを感じよう」と、歌声喫茶的セッションをナビゲート。「麻生区に住んで30年。人と地域が輝くご縁になりたい」と瞳を輝かせていました。
1958年岐阜県に生まれ、中学時代にギタリストの井上堯之氏に憧れていた近藤さんは、高校に入るとディープパープルなどのコピーバンドを結成。寺院の境内を借り、先輩から譲り受けたドラムで演奏していたそうです。大学卒業後、即日上京して井上氏に師事。バンドボーイ修行の3年間を経て、83年から「センチメンタル・シティ・ロマンス」のドラマーとして活動し、加藤登紀子、中島みゆき、薬師丸ひろ子などのレコーディングやツアーにも参加。積極的で華やかな活動の一方で、当時の近藤さんは「ずっと他人の目が気になり、どう見られるかがすごく怖かった。完璧でないとだめだとどこかで自分を縛っていたんです」と。
井上氏の引退と共に生活を一転し、介護福祉の仕事に従事。高齢者相手なら気軽と、職場の老人介護施設でギターの弾き語りを始めました。押し黙って車椅子にじっと座っていた入居者たちが楽しそうに声を合わせ生き生きする姿を見て、音楽の世界に携わりながらもそれまで思ってもみなかった「音楽の持つ大きな力」を感じ、仕事の合間を縫い「音楽療法セラピスト」の資格も取得。「ミュージシャン=テクニックだと思っていましたが、そうじゃないんです。みんなが楽しみ、癒され、その場が一つになるというのが音楽の目指すものなんですね」。
3年前からは一般の人ともそんな場を作ろうと「歌声家族」と銘打って、たまプラーザや東日本大震災被災地のカフェなどでも活動。懐メロ、60~70年代の歌謡曲、フォークソング、GSなど、近藤さんの楽しい弾き語りと明るい笑顔につられ、歌声喫茶を知るシニア団塊世代だけでなく、近所の人から近藤さんの職場の同僚、懐かしい友人知人など、さまざまな形で若い層にも人気が広がっています。「シャイだった僕の第2章も、心を解放した時に見つかりました。本当は何をしたいのか。内なる声に耳を傾け、新しい何かを探しにここから出発し、また帰って来る。そんな家族のように応援できる場を作れたら…」。2017年4月1日(土)、たまプラーザ「3丁目カフェ」で次回歌声家族を開催予定です。
「音楽で皆さんが元気になる姿を見ていると、自らもエネルギーがもらえます」。老人ホームでアフリカの太鼓ジャンベを演奏する近藤さん。
「来年は還暦。今までの人生全部を集約し、全国60か所ツアーをやりたいです。皆さん一緒に歌いませんか?」3丁目カフェでの「歌声家族」の様子。
【問合せ】
TEL:090-9684-1772(近藤)