10月26日、新百合ヶ丘駅周辺のまちづくりについて「つながりを生かしたまちづくり」をテーマに、住民や地域活動団体、事業者などの市民と福田紀彦川崎市長が意見交換を行う「第68回車座集会」が、昭和音楽大学北校舎にて開かれました。
はじめに、意見交換に向けたイントロダクションとして、今年開業50周年を迎えた新百合ヶ丘駅周辺のまちづくりの概要について説明があり、続いて麻生中学校2年生による麻生区の魅力についての発表が行われました。
麻生中学校では、授業の一環として麻生区について研究しています。今回は4人の中学生が麻生区の未来をより良くするためにはどうしたら良いか、またその探究の中で浮かび上がった麻生区の課題の解決策について発表しました。麻生区には「自然が豊か」「交通の便が良い」「子育て環境が整っている」「平均寿命が長い」などの良いところがある一方で、「坂が多い」「街中にごみが多い」「名物が少ない(認知度が低い)」「地域の交流が少ない(催しに自分たちが参加していると感じる機会が少ない)」という課題があると説明。また、全国や川崎市の中学生対象に行ったアンケート結果と麻生中学校生徒のアンケート結果の比較資料をもとに、麻生区の中学生は全国や川崎市の中学生と比べて、地域を良くするために考えることが少なく、そのために行動する機会も少なくなっているのではないかという考えを述べました。地域に対して関心が薄まっている中学生に関心を持ってもらうため、中学生も企画・運営に参加できる地域交流を増やすことで、麻生区に愛着を持ってもらい、住み続けたいと思えるような取り組みを行っていきたいと主張。既存のアプリ「かわさきTEKTEK」を利用した新たな取り組みを提案しました。
中学生の発表の後には地域団体による活動事例紹介が続き、新百合ヶ丘駅周辺の魅力や今後の課題が浮かんだところで、意見交換の時間へ。第1部では「つながりを生かした身近なまちづくり」をテーマに、ソフト面を議論。あさお区民まつりなどを通して声を掛け合って集まった大学生など、若い世代の積極的な地域への協力や、夕涼み会やハロウィンなどのイベントへの幅広い年齢層の参加が、つながりを生かした身近なにぎわいづくりに結び付くと、若い世代を含む多世代の参加を望む意見が一致。また、中学生からは、部活やサークル活動での団体参加の提案などもあり、アイデアが充実しました。
第2部では「将来的なまちづくり」に向けてハード面にも議論が及び、駅中心部に緑を増やしたい、人が集まり一息ついたり語り合ったりできる憩いの場が欲しいという声も。さらに、駅周辺の整備においては、特に新百合ヶ丘駅北口の開発・整備の議題が焦点となりました。区役所・消防署の老朽化に加え、道路の狭さや車・人の多さも問題提起。開発を一体的にどう考えていくのか、この集会が議論の始まりとなり、駅北口の開発という大きな目標に向けて、皆が同じ方向を目指していることが確認できました。
駅の開業をきっかけに発展を続けてきた麻生区、新百合ヶ丘駅周辺は、より多くの人に選ばれる魅力あふれるまちへの変換期を迎えます。福田紀彦川崎市長は「まちがもう一度、大きく変わっていく最大の時期であり、チャンス。対処的な方法ではなく時間をかけて議論を深め、また若い世代の意見も取り入れて、より良いまちづくりを進めていきたい。これからがスタートだと思う」と会を締めくくりました。
【INFORMATION】
第68回車座集会「新百合ヶ丘駅周辺のまちづくり」
10月26日ライブ配信済動画 URL:https://youtu.be/MxZpBJn3sdQ
※車座集会の開催案内や過去の開催状況は、下記川崎WEBサイトに掲載あり
URL:https://www.city.kawasaki.jp/shisei/category/37-14-0-0-0-0-0-0-0-0.html