藤原歌劇団公演 オペラ「カルメン」
安心・安全を考慮して生み出した新たな演出法で上演

 
藤原歌劇団の2020〜21年シーズン開幕公演「カルメン」が8月15日〜17日の3日間、新型コロナウイルス感染症対策を施して、万全の体制で上演されました。
 
当初は4月開催の予定でしたが、緊急事態宣言を受けて8月開催へ延期となった同公演。コロナ禍で次々と各地のオペラ公演が中止・延期となる中、どうにかして安心・安全な舞台を届けたい、再び本格的オペラを上演するための突破口はないものかと考えていた藤原歌劇団総監督の折江忠道さんは、フェイスシールドを見て思いつきます。そして、演出の岩田達宗さんと試行錯誤を重ね、「今このときだけの特別演出」を生み出しました。
 
今回の公演は、コロナ対策を講じた日本初のオペラ公演です。舞台上の歌手・ダンサーは全員フェイスシールドを装着して、飛沫対策を行いました。実際に折江さんがフェイスシールドを装着して歌ってみると、装着していないときと比べて、声量が3分の2くらいになっているように感じたそうですが、マイクは使用しません。オペラは生の歌声が醍醐味。マイクを通してしまったら台無しになってしまうため、そこは生の歌声にこだわりました。また、出演者同士が抱き合うなど接触する場面は、演出で工夫して表現方法を変え、極力減らしました。そして、通常は壁に囲われているオーケストラピットの中で演奏するオーケストラと指揮者も舞台上に上げて、密の状態を回避するなど、さまざまなアイデアが盛り込まれました。
 
細心の注意を払い、新たな様式の演出を取り入れた本公演は、今後のモデル公演として、オペラ界はもとよりクラシック界からも注目を浴びています。
 
 

 

 

 

 
 
[INFORMATION]
藤原歌劇団（公益財団法人 日本オペラ振興会）
URL：https://www.jof.or.jp/
 
☆日本オペラ振興会は、オペラ及び声楽全般にわたる公演活動などを行い、歌手・スタッフを育成して、オペラ及び声楽全般を主体とする音楽芸術の普及・振興を目指し、日本の芸術文化の発展に寄与することを目的としています。これらの活動を継続的に行っていくため、趣旨に賛同し支援する寄付金及び賛助会員（法人・個人）を募集しています。詳細は上記WEBサイトをご覧ください。