コロナ禍で在宅勤務を経験したことで、家のリフォームをした人も多いようです。長らく家は寝に帰る場所と思われていた節がありますが、家で1日過ごすと、今まで関心のなかった住まいの不便さ・不快さに気付くといいます。オンライン会議中は家族の話し声や遊びを楽しむ子どもの声が騒音に聞こえたり、部屋の寒暖差はエアコンだけでは解消されないことを知ったりして、家をもっと「ここちよい」場所にしたいと思ったことでしょう。
夏に備えてすでに対策を始めた人もいるかもしれません。断熱・気密は大事ですが、これは家の性能の問題なので、そう簡単には対処は難しいと思います。そこで、家に直射日光を入れない遮蔽（しゃへい）をおすすめします。窓や軒先など家の外側に、すだれやグリーンカーテン、タープなどを垂らします。中でもグリーンカーテンは光を遮るだけでなく刻々と変動する葉陰と緑・風を楽しめます。植付けの時期や面倒をこまめに見る必要がありますが、成功すれば喜びは大きく、「ここちよさ」が倍増すること請け合いです。
さて、この春の開花はいつになく早かった気がします。庭にある藤は例年5月初めに白い花を咲かせ、蜜を求めてクマンバチが訪花し群舞するので「蜂注意」の看板を掲げます。しかし、ぶんぶんうなる羽音を聞く間もなく花が散ってしまいました。寂しい思いをしています。今年も異常気象がすでに始まっているのでしょうか。蜂にもここちよい環境が望まれます。
筆者：鈴木 亨（すずき とおる）
株式会社鈴木工務店 会長
一級建築士
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