コラムタイトル
 
ネズミが出てくる楽しいおはなしの中で私が大好きなのは、「くまのアーネストおじさんシリーズ」(『かえってきた おにんぎょう』他)です。かわいいネズミの女の子セレスティーヌとくまのアーネスト。2人のささやかな暮らしの中では、いつも「何か」が起こります。散歩中に大事な人形を落としてしまったり、前の晩にウキウキとピクニックの準備をしたのに翌朝は雨だったり。美術館で迷子になる、急なお客様が来る、ある時はアーネストが病気になって…などなど。
 
おしゃまで、賢く、感性豊かなセレスティーヌに対し、アーネストは親のような、友達のような、そして時に恋人のような大らかな存在です。作者のガブリエル・バンサンは、小さな子どもの気持ちをなんと見事に捉えていることでしょう。細やかな2人の心情がソフトなデッサンと彩色で表情豊かに描かれ、一緒にドキドキしたり、じーんと胸に来て涙ぐんでしまったり…。絵本の中に優しい音楽のように漂っているその深い愛と思いやりが、こちらの心に流れ込んで来るのです。2人のように、相手を思いたいものです。
 
ねずみ年のこの1年が、子どもたちにとって、また皆様にとっても、この温かいものに満ちた平穏な日々となりますように。
 
絵本
『くまの アーネストおじさん かえってきた おにんぎょう』
作:ガブリエル・バンサン
訳:もりひさし
出版社:BL出版
初版:1983年03月
ISBN:9784892389757
 
 
米倉さん
米倉 由布子(よねくら ゆうこ)
 
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