電磁弁を扱う会社として誕生したものづくり企業
川崎市麻生区栗木のマイコンシティに本社を構える「伸和コントロールズ株式会社」は、高度経済成長期真っ只中の1962年に農業機械用の電磁弁を扱う会社として誕生しました。初代社長の幸島房雄氏を含む7人で結成した会社の社名は「伸和工業株式会社」。「和して伸びよ」(仲間を大切に、助け合い讃え合いながら切磋琢磨し成長していく)という想いが込められています。その5年後、1967年には販売部門を独立させ「伸和コントロールズ株式会社」を設立。オートメーション(自動制御)が急速に進んでいた時代背景もあり、電磁弁という自社製品だけでなく、総合的な制御機器の販売を行うことによって事業の拡大を目指しました。
会社の未来を築いた一期一会の出会いと製品開発
それぞれの時代で求められたことに対し、ものづくり企業として進化し応えてきた同社。創業時からの製品である電磁弁は耐食性・耐久性に優れ、医療業界で長く活用されています。近年では、宇宙実験のサンプルを地球に持ち帰るカプセルに同社の電磁弁が使用されて重要な役割を果たし、航空宇宙業界においても大きな成果を上げました。また、技術力を培い1980年代に参入した半導体業界では、精密温調装置の開発・生産で世界のトップメーカーとして知られています。「ある企業との一期一会の出会いが、今日の温調装置の基礎を築きました」と幸島宏邦代表取締役会長は、まだ自身が営業マンだった頃を振り返ります。当時、電磁弁を売り込むために訪ねた半導体製造装置メーカーでは、半導体の製造ラインの温度制御ができず苦労していました。大手に頼んでも断られていたため、「幸島さん、やってみるかい? 御社の社名は伸和コントロールズ(コントロール=制御)でしょ」と声が掛かりました。扱ったことのない分野でしたが、挑戦してみようと会社一丸となって温調装置の開発に取り組み、今ではそれが主力事業の一つに。その時のお客様が求めているものに応える、必要なものを必要なときに提供するという一期一会の精神、おもてなしの精神は、会社の成長につながる大切な理念として根付いています。
これまでに培った技術力を生かし、人類の課題を解決するグローバル企業に
初めは7人でスタートした同社は今年、創業60周年を迎え、従業員数は598人(2022年7月現在)となり、本社の他に長野県伊那市や長崎県大村市など、国内5か所に事業所・営業所・工場を配し、韓国・アメリカ・台湾・中国など海外にも現地法人を持つまでになりました。「今後、ビジネスエリアは本当の意味で国内から世界になり、求められる能力もグローバルに、アクティブに変わっていきます」と山本拓司代表取締役社長。同社は今、世界のさまざまな変化に順応しながら、組織や文化を進化させていく時を迎えています。「世界共通の課題が明らかになり、力を合わせて未来を形成していかなければならない時代において、新たな価値を追求し、これまでに培った技術で人類の課題を解決していく企業でありたい」。60周年を記念して制作したロゴには、その想いを込めて「技術に夢を、未来に愛を」というスローガンを添えました。誰もが幸せで愛のある未来があり続けるように、創業者が掲げた「和して伸びよ」の想いを継承しながら、伸和コントロールズはこれからも夢あるものづくりを行っていきます。
[INFORMATION]
伸和コントロールズ株式会社
川崎市麻生区栗木 2-6-20
TEL:044-986-1861 (代)
URL:https://www.shinwa-cont.com/
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