最近は少なくなった畳や床の間のある部屋で、座禅をしながら耳を澄まし、いつもとちょっと違う時間を過ごす園児たち
 
夏蒐山修廣寺の先代の住職からの声掛けにより、15年ほど前から続いているという川崎青葉幼稚園の座禅体験。今年も11月17日に行われ、計60人の園児たちがお寺を訪れて、前半・後半で30人ずつに分かれて参加しました。
 
子どもたちは、最近では少なくなった畳や床間のある部屋に通され、少し緊張した面持ちで住職からの丁寧な説明を聞きながら数分間の座禅に取り組みました。初めて座蒲(ざぶ)の上に座って足を組んだ子どもたちのぎこちない姿勢を、住職が一人ずつ優しく正していきます。外は土砂降りの雨。静かに耳を澄ますと、雨音以外にもいろいろな音が聞こえてきました。
 
座禅が終わり、住職がどんな音が聞こえたかを尋ねると、「雨の音!」「鐘の音!」「鳥の声!」と答えた子どもたち。足が痺れたという子もいましたが、静かに座ってまわりの音を聞くという、普段と違う緊張感のある時間を皆楽しんだようでした。
 
「テレビやパソコンに向かうことが多く、顔と顔を合わせて人の話を静かに聞く機会が少ない今の子どもたちにとっては、座禅体験はとても貴重な時間です」と井上久学園長。「各ご家庭で親御さんには、安定した心の状態で子どもに絵本を読んであげてほしい、親御さんの言葉で伝えてあげてほしいと思っています。この座禅体験ではそのような時間を総合的に実現しています」と思いを語りました。
 
住職は、子どもの頃に座禅体験に参加した高校生に、街中で声を掛けられたことがあるそうです。きっとその子にとっても座禅体験は忘れられない体験となったのでしょう。「お寺には小さな子どもからご高齢者まで、どなたでもお越しいただけます。座禅体験を通して、少しでもお寺に来ていただく機会になれば」
 
最後に住職から子どもたちに「挨拶を大切にしましょう」というお話がありました。「ご挨拶は言葉に出すことがすごく大切です。みんなもちゃんとご挨拶できるような素敵なお兄さん、お姉さんになってくださいね」。子どもたちは元気に返事をして、「ありがとうございました!」と大きな声で挨拶し、意気揚々と園バスに乗り込んでお寺を後にしました。
 
 
[INFORMATION]
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URL:http://www.kawasaki-aoba.ed.jp/
 

夏蒐山 修廣寺
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