スミ ナツコ さん
秋の多摩美の森を舞台に、自然とアートの共演を楽しめる展覧会「森展」。2年前に先代から運営を引き継いだスミナツコさんは、「出展作品は年々増えて今は100点ほど。表現の場があると表現したい人が現れるんです。初めての作品を発表する機会をつくれていることに、大きなやりがいを感じます」と語ります。
子育てを機に地域活動に興味を持ち、2017年頃からまちづくりに関わってきたスミさん。絵本のキャラクターの仮装をしてピクニックをしたり、地域の親子が絵本を持ち寄って集まれる場所をつくったりするなど、絵本を持って出かけることをテーマにした活動「BOOK WEEK JAPAN」を、多摩区を中心に展開しています。
また、再開発が進む登戸・向ヶ丘遊園エリアで、本を通じた街の居場所づくりとして、地域住民が街について語り合い発信する「ノートリボ」を立ち上げ。会話を楽しむことを重視した本のフリーマーケット「住民本屋」の活動やフリーペーパーの発行、本棚を通じたコミュニティー拠点「駅前本棚」の立ち上げに携わります。「区画整理などでできた空き地を活用して何かできないなって。街について気軽に話せる場所があれば、若い人もまちづくりに興味を持てるんじゃないかと思ったんです。やり方や視点を変えればおもしろくなることは多くあります」
本業はグラフィックデザイナー。デザインで社会課題を解決するソーシャルデザインに関心を抱くようになり、小さな社会実験を試みるようになったといいます。「仕事での経験が地域の役に立てたらうれしいです。今は自分がやってきた活動を応援してくれる仲間もいるので、少し手を広げて川崎市のアートの取り組みにも興味があります。地域活動は元々、自分と子どもたちが暮らしやすい環境にしたいという思いから始めたこともあって、無理なくできる範囲でやるのがモットー。誰もが参加できる森展のように、多様性のある場所を広げていきたいです」
[INFORMATION]
森展2023
開催日:2023年11月5日(日)~12日(日)
会場:《屋外》麻生区市民健康の森・多摩自然遊歩道(自由散策)、《屋内》カフェ ド シュロ ギャラリー(10:00~18:00、12日(日)は15:00迄) ※最寄りは小田急線・読売ランド前駅
主催:森展の会
Instagram:@moriten_tamami