涼しく歩きやすい季節が来ました。駅から駅までの距離が比較的短く、散歩コースとしてもちょうど良い長さの稲城エリア。今回は京王相模原線稲城駅から若葉台駅までの散歩の見どころを紹介します。
東京都指定無形文化財「蛇より行事」の大蛇が見られる妙見寺
稲城駅徒歩5分の距離にある妙見寺は全国でも数少ない神仏混淆（こんこう）の残る寺院。東京都指定無形文化財にも指定された珍しい「蛇より行事」でも知られます。「蛇より行事」は毎年8月に祭りの当日の朝に刈り取った青萱（あおがや）で大蛇を作り、奉納する祭り。頭と尻尾を同時には拝めないほど長い大蛇が200段以上の長い参道に沿って横たわる姿は圧巻。今年8月に奉納されたばかりの新しい大蛇の下にはさらに前の年の大蛇の姿も見え、毎年続けられている歴史の連なりを感じさせます。
郷土景観と今の稲城が響き合う散歩コース
妙見寺を出て坂を下り、三沢川の遊歩道へ。遊歩道の終点で鶴川街道を反対側に渡ると、地元の土を使った「稲城焼」で知られる濱陶器のギャラリーの看板が見えます。美しい焼き物が並ぶギャラリーの外観と、のどかな里山の風景が重なる知る人ぞ知るビュースポットです。ギャラリーは予約制のため、中にも立ち寄りたい場合は、事前に問い合わせを。
ふらっと遊びに行ける、稲城の「涼」スポット
鶴川街道を若葉台方面にいく道すがらには、水車小屋と上谷戸大橋のアーチのある橋桁が魅力の上谷戸親水公園があります。稲城の市の鳥であるチョウゲンボウが観察できる場所としても知られ、幅広い世代に親しまれています。園内には季節の花木や畑もあり、四季折々の違った表情が魅力です。
上谷戸親水公園からは、せせらぎに沿って若葉台公園方面へと遊歩道が続いています。「ホタルのさと」として大切に守られている清流沿いの風景は、昔にタイムスリップしたかのよう。遊歩道を出て、少し歩けば若葉台公園。園内を散策しつつ、橋を渡れば、開放感抜群の駅前の大通りが出迎え、若葉台駅でゴールとなります。
長い歴史を持つ寺院から、懐かしい風景が魅力の遊歩道まで、バライティ豊かな1駅分の散歩コース。「思い立ったが吉日」の気楽さで、ぜひ歩いてみてはいかがでしょうか。
