暮らしのコラム 住まい
 
今年も、湿度が高く不快な梅雨の季節に入りました。昔、当社の前には、水で満たされた田んぼに青々とした稲がきちんと並ぶ風景が広がっていました。それは、梅雨が美しく見えた時代で、心身を楽しませ癒してくれました。
自宅の風呂で、室温と湿度を簡易測定してみました。脱衣場は室温24度、湿度54%、湯を張った浴室は室温24.2度、湿度85%、そして浴室の換気扇を20分間回すと、室温に大きな変化は起きませんでしたが、湿度が74%と11%下がりました。6月の東京の相対湿度は平均72%位(近年は温暖化で相対湿度は下がっています)。室内の快適湿度には幅がありますが、50~60%位が理想と思われます。しかし、同じ温度でも湿度が違うと感じ方が違い、湿度が高い時は暖かく、湿度が低い時は涼しく感じます。また、この時期は湿度が80%を超えると、カビの繁殖に適した環境にもなります。
ベッド生活が当たり前になり、寝室の床を畳敷にすることも減り、さらに布団の上げ下ろしがなくなりカビ発生の心配も減りましたが、押入れ中段床をすのこにして空気の通り道を作ることで、湿気が溜りにくく、さらに板壁にすれば湿気が吸収されます。昔は壁に漆喰を塗りました。多孔質な素材、例えば珪藻土を塗ったり、木炭を置けば湿度はさらに改善されます。
「換気」を心掛けることで、不快な梅雨を吹き飛ばしてみませんか。そのためには室内を満遍なく、必要最低限の空気を止まることなく動かし続けることが大事です。
 
 
筆者:鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 代表
一級建築士
 
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