
韓国から日本の都市開発政策状況などの視察のために来日した、光州市光山区議会(グァジュ市グァンサン区議会)の議員と区役所・事務局関係者13人に日本語通訳を加えた計14人が、麻生区周辺における街づくりについての説明会に参加するため、6月9日に一般財団法人 川崎新都心街づくり財団(以下、財団)が運営するしんゆり交流空間リリオスを訪れました。
光州市は韓国南西部に位置する人口約140万人の大都市で、光山区は同市内の5つの自治区のうちの一つ。都市機能と自然環境が調和した郊外型の地域で、住宅地としての性格や交通の利便性など、麻生区と共通する特性を持っています。
同区議会は5月初旬、麻生区・新百合ヶ丘周辺で行われてきた街づくりを参考として、光州市光山区の地域活性化や環境の向上など、新たな街づくりの取り組みを模索するきっかけにしたいとの意向を財団に書面で伝え、財団から相談を受けた麻生区役所企画課と川崎市まちづくり局も協力して今回の訪問と説明会が実現しました。
説明会では財団専務理事の鈴木友由氏の挨拶に続き、同区議会を代表して議長のキム・ミョンス氏が日本語で挨拶し、会場が和やかな雰囲気に。続いて登壇した財団特別顧問で東京都市大学名誉教授の平本一雄氏は、「麻生地域の住民による街づくり」と題し、1950年代はまだ緑の丘の農村地域だった麻生区が緑豊かな住宅都市になるまでの歴史をなぞりながら、住民主体で進められた新百合ヶ丘駅周辺の土地区画整理事業や街の緑の整備、文化活動や街の賑わいづくりなどについて説明しました。また、川崎市まちづくり局は川崎市の都市景観形成と新百合ヶ丘駅周辺地区の景観形成に関わるガイドラインなどを紹介し、短時間ながらも麻生区・新百合ヶ丘駅周辺の街の成り立ちについての情報が凝縮された説明会となりました。
最後には質疑応答の時間が設けられ、議員からは、土地区画整理を行う上で住民との間に問題が生じた場合の対応・解決策、財団の活動の仕組みなどについて熱心な質問があり、今後の光州市光山区での街づくりに活かそうとする意欲がうかがえました。

