
麻生市民館の図書館前などのスペースで、市民がイベントや講座、ワークショップを楽しんでいる姿を見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。麻生市民館では、市民同士が対話を通じて学び合い、コミュニケーションやつながりを深める「ひとのわプロジェクト」の場を提供しています。これまで、「こんなことに挑戦してみたい」と市民から提案された、シニアから子どもまでを対象とした多様な企画を実施してきました。今後も新しい企画の提案を歓迎しているとのことです。
笑顔が集まる人気プログラム「健康麻雀」
取材当日は、毎回にぎわう人気プログラム「健康麻雀」が図書館前で開催されていました。開始時間前から参加者が楽しそうに机を並べ、麻雀牌や麻雀卓をてきぱきと準備する姿から、この日を待ちわびていたことが伝わってきます。4つの卓を囲む参加者は20人ほど。おしゃべりをしながら麻雀を楽しむ人、周囲で声がけをしながらサポートする人などがいて、会場は終始活気と笑い声に包まれていました。

「健康麻雀」とは、「賭けない・飲まない(禁酒)・吸わない(禁煙)」を前提とし、健康づくりや仲間づくりにつなげる安心・健全なゲームです。楽しそうな笑い声に誘われて、思わず足を止める通りすがりの人も何人か見かけました。「こんなに女性が参加されているとは」と少し驚いた様子で通り過ぎていった人がいたほど、この日は女性の参加者が多く、実は現在の主催者も前主催者も女性。性別や年齢を問わず気軽に飛び込める敷居の低さが、このにぎわいにつながっています。

この場をリードするのは、主催者の臼井明子さん。半年前までは麻雀未経験でしたが、図書館前を通った際に健康麻雀が行われているのを見かけて、面白そうだと思って参加したのが始まりでした。
この集まりの土台を築いた前主催者の女性は、地域で行う健康麻雀のチラシを掲示してほしいと相談するために市民館を訪れました。その時、市民館側から「『ひとのわプロジェクト』で健康麻雀をやりたいので力を貸してほしい」と相談されたことをきっかけに、2025年2月より市民館で健康麻雀を開催し、以降定期的な開催が続いています。
2026年1月に主催者のバトンを受け継いだ臼井さんは、麻雀経験者の夫と二人三脚でプロジェクトを主催しています。初心者にも優しくルールを教えることで、安心して飛び込める環境づくりを心がけています。

教わる側から教える側へ、場作りの楽しさ
ひとのわプロジェクトの魅力は、参加者として加わった人が、回を重ねていくうちに「教える側」の立場になっていくという、温かな役割の循環にもあります。開始時間前に会場で率先して準備を進め、開催中は参加者に丁寧に手順を説明していたのは、ベテランの佐藤克己さん。佐藤さんは前主催者が開催していた頃から参加していて、これまでの経験を生かしながら積極的にサポートしています。初心者に教えるだけでなく、自宅から麻雀卓を持参するなど、場づくりにも貢献。子どもの頃に家族とこたつをひっくり返して麻雀をした思い出や、学生時代に友人と楽しんだ記憶を懐かしそうに思い出しながら、「麻雀をこうやってまた健康的に楽しめて、人をつなぐ役割も担えている。自分自身が何より楽しい」と語っていました。「みんなでこの場所を支え、育てていこう」という市民一人ひとりの主体性と熱意が、この場所の心地よさを生み出す大きな力になっています。

「健康麻雀」が一歩を踏み出すきっかけに
今回初めて参加した女性は、「夫が見つけてくれたチラシがきっかけで来てみたら、想像以上に楽しくて、帰ったら夫とも一緒にやってみたい」と声を弾ませて言います。何度も参加している常連の参加者からは、「とにかく楽しい!頭の体操や老化防止にもぴったりだし、参加するたびに上達しているのが分かってうれしい」「外出のきっかけになる」「アプリでも麻雀はできるけど、人に会っておしゃべりしながらできるのが楽しい」との声が聞かれました。また、通ううちに「今日はあの人、来てないけど元気かな」と自然とお互いを気にかけるようになると話し、地域のコミュニティとしての役割も果たしているようです。
ゆくゆくは市民主体のサークルへ
麻生市民館では、2026年4月から指定管理者制度が導入され、「あさお・未来共創パートナーズ」が運営を担っています。市民館が特に力を入れているのが、「市民の要望に寄り添うこと」と「情報発信の強化」です。市民館スタッフの山下さんは、「専門知識を活かすことで市民の声に応えるスピードが上がりました。図書館の開館時間を延長することができ、WEBサイトのリニューアルやSNS開設で情報が届きやすくなり、イベント参加も活発になっています」と手応えを語ります。さらに、「将来的には市民が完全に主体となり、各プロジェクトが自主的なサークルとして自立して、地域に広がっていってくれたらうれしい」と、期待を寄せています。
人が人を呼び、人の輪がどこまでも広がるこの場所は、まさに「ひとのわ」というプロジェクト名を体現する、温かな空間です。誰もが気軽に立ち寄り、人とつながれる「サードプレイス」として、これからも多くの人に親しまれていきそうです。麻生市民館で、あなたも「ひとのわ」に加わってみませんか。

[INFORMATION]
麻生市民館「ひとのわプロジェクト」
会場:麻生市民館3F受付前、または2F図書館前の「ひとのわスペース」
※参加無料(一部材料費がかかる場合あり)、事前予約不要(当日直接会場へ)
※「健康麻雀」他、ひとのわプロジェクトのイベントや講座の開催情報は、下記WEBサイト参照
URL: https://asao-mirai.com/asao/event/2868/












