
年齢や障害の有無に関わらず、誰もが安全・快適に一緒に遊べる「インクルーシブ遊具広場」。稲城市内でもそのニーズの高まりを受け、稲城第一小学校近くの吉方公園を大幅に改修するため、令和4年度から地域の自治会や幼稚園の代表者などで構成される「吉方公園改修整備協議会」が中核となり、整備プロジェクトが始動しました。中心となって進めてきた稲城市役所緑と公園係長の浅沼友之さんに、これまでの道のりと、そこに込めた深い願いを伺いました。
行政の想定を超えた「親子のリアルな視点」
プロジェクトを進める中で、浅沼さんが最も印象に残っているのは「利用者目線の重要性」です。遊具の選定にあたっては、協議会の意見だけで決めるのではなく、実際に既存の公園を訪れている親子に直接アンケートを実施しました。
「その結果、行政や協議会が想定していたものとは別の遊具が選ばれるなど、親御さんや子どもたちが求めるリアルな視点は、私たちが考えていたものとはまた少し違うのだと肌で実感しました」と浅沼さんは振り返ります。
誰もが来園しやすくするための「対話」
整備の舞台となった街区公園は、本来は近隣住民が歩いて集まる場所であり、多くの駐車場を備えていませんでした。しかし、インクルーシブ公園として「車を使わないと来園が難しい人」を受け入れるため、駐車場の増設を決断しました。
「当初は2~3台という案もありましたが、利便性を考え、より多く確保することにしました。周辺住民の方々には、なぜ駐車場が必要なのかを丁寧に説明し、ご理解いただきました。遊ぶ人だけでなく、地域に住む方々の環境についても話し合いを重ねたことが、このプロジェクトを乗り越えた大きなステップでした」
障害という「心の壁」を壊したい
「『障害』という言葉は、大人が勝手に作ってしまっている壁のようなもので、子どもたちはそんな境界線を感じていません」と浅沼さん。子どもからお年寄りまで、障害の有無に関わらず、みんなで触れ合い、一つの大きな「輪」になれるような場所としてこの公園を楽しんでもらえたらと、今回の整備を通じて「物理的なバリアフリー」以上の変化を期待しています。
稲城市の新しい交流の拠点として誕生した吉方公園インクルーシブ遊具広場。残りの改修部分もリニューアルし、令和9年度に全エリアが開園予定です。そこには、多様な背景を持つ子どもたちが触れ合い学び合うコミュニティの場となり、すべての市民が分け隔てなく笑い合える未来への願いが込められています。




[INFORMATION]
吉方公園
東京都稲城市東長沼1728
稲城市WEBサイト 吉方公園改修整備事業
https://www.city.inagi.tokyo.jp/kankyo/midori/1005309/1005310/1005311.html












