森 一郎さん(麻生区在住)
新百合ヶ丘の昭和音楽大学前に広がる芝生の美しい公園「新ゆりアートパークス」。昭和音楽大学の移転と同時に川崎市の都市公園として開設されて以来、維持管理に力を注ぎ、「日本一の芝生公園にしたい」と活動してきた市民ボランティア「新ゆりアートパークス管理運営協議会」が、今年8月、10周年を迎えました。
新百合ヶ丘南口の玄関ともいえるこの場所に公園が出来た時、「緑多い芸術のまち麻生としてふさわしい空間にしたかったけれど、行政の手だけでは充分に芝生のメンテナンス管理はしきれない。雑草公園になる前に何とかしないと…」と、手を挙げた森さん。程なく新百合ヶ丘や地元の自治会長の方たちの賛同を得、5人での芝生内の雑草根こそぎ除去活動を始めました。公園敷地約1,000坪の内、700坪に及ぶ芝生部分は、まばらな荒地で土壌、水はけも悪く、最初の2~3年は悪戦苦闘の日々だったそうです。
芝刈り業者にも多くのサポートを得る一方、役所の担当者が変わる度に出向いて協力を仰ぐなど続け、今年で10年。その間480回延べ2,400名の手が入り、もはや少しのことではへこたれない芝生になりました。「公園のより良い維持管理に不可欠なのは市民の協力です。『新ゆりアートパークス』におけるこの活動が、市民と行政の協働による区内の他の公園管理の模範・啓発活動の象徴になれば…」
2012年には、少人数ながらその活動の積み重ねで見事な芝生公園に変貌を遂げたことが認められ、みどりの愛護に顕著な功績のあった民間団体の功労者として「国土交通大臣表彰」を受賞。現在ガールスカウト訓練、野外ライブ、小田急ポスター撮影などに使われ、保育園では運動会などの開催だけでなく毎日のように使用されており、今年度は7,000名を超える利用が見込まれるそうです。一時期約10名だったボランティア実働会員も、高齢化などにより4~5名となり危機的状況だったのが、NPO法人麻生市民活動サポートセンターの連携によって、9月からは新旧ボランティア総勢26名による新体制「新ゆりアートパークス☆きずな☆」としてスタートを切りました。
活動は毎週土曜午前9:30〜11:30。「青空の下、ピクニック気分で仲間と共に芝生公園を育てていくも良し、読書や昼寝を楽しむ利用者として見守るも良し。公園を大切に愛していく気持ちが、大きな支援になっていきます」と森さんは語っています。
「新ゆりアートパークス管理運営協議会10周年祝賀会ならびに新旧交流会」にて。「会員の汗、行政・関係者の方々の支えによって成果の見られる公園になりました。この素晴らしい芝生公園が 『麻生区のレガシー』になることを願っています」。
子どもたちが裸足でかけ回ることができる、美しく安全な公園として維持するためのルールは「ごみを残さない、現状復帰」だけ。個人もグループ・団体も誰でも気持ち良く有効に使ってほしいそうです(写真は保育園の運動会。園児の年間利用者数は4,000人を超える)。
【お問合せ】
TEL:090-2569-1626(森)
TEL:090-6924-4732(植木)
※グループ・団体利用は麻生市民交流館やまゆり連絡箱5番内の用紙にて申請を。