母と息子家族の二世帯住宅が完成します。1階は長年ステンドグラス制作に勤しむ母世帯で、工房を備えています。玄関は共用で工房の並びに位置し、お孫さんたちが帰宅時に、お祖母さんの気配を感じることができます。玄関土間の先にある小上がりの共用和室は、作品展示や客間、節句飾などの場になります。
バス通りに面した角地で、木塀と植栽で道路からの視線を遮り、庭でBBQを楽しむ計画です。2階は子世帯の住まいで、勾配天井の下にLDKが広がり、友人も大勢集まれます。
三世代が長く快適に住むための間取りの工夫と共に大切なのが、温熱環境です。冬暖かく夏涼しい家なら、身体も経済もラクに過ごせて、世代を超えて住み続けられます。古家が住み継がれない原因のひとつは、「寒い」からです。 WHO(世界保健機関)が推奨する冬季室温は18℃以上ですが、日本の平均値は脱衣室で12.8℃、居間でも16.7℃という調査結果もあります。築年数が古く気密断熱性能の低い家ではもっと寒いはずです。
今回の二世帯住宅では、国の定めた断熱等性能等級の6.5をクリア(最上級7は北海道レベル)。大きな屋根を利用した太陽光発電も7kwを超えるZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)です。2050年脱炭素社会実現に向けて、今年も住宅関連の補助事業は継続されますが、年々求められる住宅性能が上がっています。建設費が高騰する昨今ですが、住んでからの費用も(健康維持関連を含めて)考えたコスト配分が肝要です。
筆者:鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 会長
一級建築士
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