「あさお芸術文化交流カフェ」の様子(川崎市アートセンターにて)
 
芸術・文化を取り巻く環境の変化に合わせて
今後のしんゆり・芸術のまちづくりをアップデート

 
「NPO法人 しんゆり・芸術のまちづくり」は、新百合ヶ丘駅周辺の芸術関係施設や人材、団体などを生かしたまちづくりを進め、地域の活性化や地域ブランドの確立を目的として、2010年2月に設立。以来、麻生音楽祭やKAWASAKIしんゆり映画祭、アルテリッカしんゆりなどの大型イベントから地域の中小規模のイベントまでの後援、kirara@アートしんゆりの主催・後援、アート市などの企画運営他、多くの取り組みにより芸術のまちづくり推進に貢献してきました。設立から10年以上が経ち、芸術・文化を取り巻く環境にも変化が見られることから、今後の芸術のまちづくりのあり方を検討する必要があるとして、活動についてもアップデートが進められています。
 
誰もが芸術・文化を身近に感じるまちにするには
 
これまでの取り組みを振り返り、今後のしんゆり・芸術のまちづくりを考える上で、新たな取り組みを始めている同NPO。そのうちの一つが「芸術・文化分野の情報発信の強化」。昨年7月からは、新百合21ホールや川崎市アートセンター、麻生市民館、昭和音楽大学 テアトロ・ジーリオ・ショウワ、日本映画大学、劇団民藝他、麻生区の主要13文化施設のバリアフリーマップ制作に着手。障害者用駐車場やエントランスのスロープ、エレベーター、フロア内の段差などの有無や、トイレの状況など、実際に車椅子利用者や視覚障害者に協力してもらい、現地調査を行って制作しました。このバリアフリーマップは一部施設にて設置配布予定である他、3月29日にリニューアルされた「しんゆり・芸術のまち」WEBサイト(下記参照)にも掲載されます。このWEBサイトもスマートフォンやタブレットに対応し、公演を観覧したい人、公演・ワークショップなどに参加したい人、主催する公演をPRしたい人向けにボタンを分けるなどして、地域の芸術・文化イベントに関する情報がさらに見やすく、見つけやすくなります。
 
また、情報発信の取り組みとしては、4月中旬から5月初旬の特定日に「Shinyuri Station Piano plus(しんゆりステーションピアノ プラス)」の開催も予定。2019年11月から翌年1月まで社会実験として行った「Shinyuri Station Piano」では、新百合ヶ丘駅コンコースと小田急マルシェ新百合ヶ丘2階の2か所を使って実施し、 多い日は1日に80人以上の人が演奏を楽しみました。昨年3月には同NPOを事務局として、主催のしんゆりステーションピアノ実行委員会が立ち上がり、新百合ヶ丘エリアマネジメントコンソーシアムが協賛し、麻生区が後援しています。今回は駅から飛び出して、駅南口ペデストリアンデッキ中央広場に「電子ピアノ」を設置し、感染対策を行っての実施。文字どおり「街なか」に置かれた電子ピアノでさまざまな演奏が行われ、再び芸術のまちらしい光景が見られるでしょう。
 
川崎市アートセンターを会場として、同NPOが事務局を担当し、麻生区役所の主催で定期的に行われている「あさお芸術文化交流カフェ」(写真上)は、芸術・文化関係団体の交流・情報交換の場として開かれていますが、最近は、新たなコミュニティ施策に関心を持つ若い世代の参加が見られます。これからの芸術のまちづくりについての課題を共有し、新たな取り組みを創出する場となるよう運営に努めたいと事務局は話しています。
 
この他にも多くの課題を洗い出し、次の10年に向けて動き出している同NPO。今後も市民の芸術活動を大切にするとともに、あさお芸術文化交流カフェなどの場を活用して若い世代も取り込み、大学などの教育機関や地元企業、各種団体、行政との連携を図りながら、新たなしんゆり・芸術のまちづくりを進めていきます。
 
しんゆり・芸術のまちづくりを進める上での拠点となっている「川崎市アートセンター」
 
 
[INFORMATION]
NPO法人 しんゆり・芸術のまちづくり
川崎市麻生区上麻生1-7-11 クラウンビル201
TEL:044-959-1020
FAX:044-951-2156
URL:https://shinyuri-art.com/