ワークショップの様子
ワークショップ最終回には、「また映画館で映画を楽しみたいんです」と副音声ガイド制作のきっかけとなった電話をかけた女性、武村桂子さんが講演を行い、受講生たちが制作した副音声ガイドについて講評した。
 
毎年秋に開催される「KAWASAKIしんゆり映画祭」を主催するNPO法人KAWASAKIアーツは、中途失明した女性からもらった1本の電話を機に、1997年から副音声ガイド付き上映をスタート。2007年からは年1回の映画祭に加え、川崎市アートセンターのバリアフリー上映もサポートしていて、現在年間6本の副音声ガイドを制作しているそうです。昨年12月から今年2月にかけては、副音声ガイド制作ボランティアの育成を目的としてワークショップを実施。20代から70代の計13人の受講生が、短編映画の副音声台本制作や朗読、視覚障害者の送迎などを体験しました。「決まった尺の中で状況が伝えられる的確な言葉の取捨選択が難しかったです」と語るのは、受講生の渡邉昴貴さん(20歳)。表現方法をめぐっては、受講生同士で熱いディスカッションが繰り広げられたそうです。
ここ数年でスマートフォンアプリの登場などにより、視覚障害者の映画鑑賞環境は変化してきていますが、障害の有無に関わらず誰もが「観たい作品」を観るためには、環境づくりがまだまだ必要です。KAWASAKIアーツは1人でも多くの人に映画を楽しんでもらうため、今後も活動を続けていくそうです。
 
【お問合せ】
NPO法人KAWASAKIアーツ
麻生区万福寺1-2-2 新百合21ビルB2
TEL・FAX:044-953-7652
URL:http://siff2.sakura.ne.jp/arts/