町田さんと妻の万里子さん
苦手な「人物の顔」は、子どもの誕生を機に手作り絵本の制作を始めて続けている妻の万里子さんに手伝ってもらったと笑う町田さん
 
夏の終わり、編集部に1冊の手作り絵本が届きました。『二枚橋と鍋ころがし』という題名の下に義経と弁慶とおぼしき武将が描かれています。制作にまつわる話を聞こうと、送り主の町田さんを訪ねました。
 
今から5年前、長年の教職から離れ余暇ができた町田さんは、以前より興味のあった水彩画を始めたいと写生サークルに入会しました。「ある時、小金井市にスケッチに出かけると『二枚橋』という橋があり、その風景を描いたのですが、調べてみると川崎市にも同じ名の橋があることが分かったのです」。町田さんは「二枚橋」という名でつながる手作り絵本シリーズの第1作として小金井の二枚橋の絵本を作り終えると、すぐに川崎の二枚橋の絵本の制作を始めました。「柿生の郷土資料館に問い合わせて関係史料を送ってもらうと、川崎には他にも義経にまつわる伝承が多く残されていると分かり、ますます夢中になりました」。難しかったのは鎧や馬具などの時代考証だったといいます。「義経は国民的英雄ですが、川崎での行動や地域の人々の関わりはあまり知られていません。この絵本を通して地域に根差した民話や伝説を知ってもらいたい。次は群馬県伊勢崎市にある三つ目の二枚橋の絵本を作るつもりです」と目を輝かせました。
 
 
【手作り絵本に関するお問合せ】
手作り絵本『川崎 二枚橋と鍋ころがし 義経・弁慶』
TEL:03-3420-1543(町田さん宅)