編集部スタッフこぼれ話 STAFF'S EPISODE

麻生区でアンネを知る 2


劇団民藝の公演『アンネの日記』を観てきました。

客席と舞台の距離が近い「川崎市アートセンター・アルテリオ小劇場」は、195席で役者の息づかいまで感じる空間です。
私が、世界で一番有名な日記『アンネの日記』を初めて読んだのは中学生の頃でしょうか…。何度か読み返し、今年4月の公開稽古の後にも読み直してみました。13歳〜15歳のアンネが日記に綴った日常。この行間から広がるイメージに勝る舞台なんて作れるんだろうか。こんなに有名な作品を役者が演じられるんだろうか…。そんなことを思いながら開演を待ちました。

間口11.4メートル、奥行き7.4メートルという舞台で演じられた『アンネの日記』は、私の想像を遙かに超えるものでした。文字を読んで得られる感動より、舞台を見て感じる感動が大きいなんて!行間から読み取れる想像の世界とは、比べようもないほど確かで広くて「ある意味、現実よりも生々しい」世界がそこにはありました。

役者さんってすごい!

演出ってこんな力を持っているんだ!

そんな発見をして、体感さていただいた3時間でした。

 

終演後、さっきまで舞台に立っていた役者さんたちとの「アフタートーク」が行われました。
八木橋さん(写真中央)と広田さん(写真左)は、現代の若い女性に戻り、リラックスした表情で座り、客席からの質問に真剣に耳を傾けていました。
劇団民藝初演の『アンネの日記』を観た方、アンネを演じた八木橋里紗さんの亡母・成田美佐子さんのアンネ役を観た方、八木橋さんの母・成田さん演ずるアンネのお姉さん役マルゴーを演じた白石珠江さんが今度はアンネの母役で八木橋さんと同じ舞台に立ちました。

民藝所属の役者さんで『アンネの日記』に関わりのない人はほとんどいないとか…。民藝が60年も公演を続けてきたからこそ生まれている「人の縁」。出演者全員が知らない「戦争」を語りつなぐ・演じつなぐ「役者の力」。

これが、テレビドラマや映画では、決して作り出すことのできない演劇ならではの関係性なのでしょうね。今週末の予定がない方、ぜひ民藝の生の公演を観てください!

そうそう、舞台情報を紙面に掲載する時に、「演出家の名前」が必掲なのを身をもって知りました。(N)