編集部スタッフこぼれ話 STAFF'S EPISODE

深イイ話すぎる


7月30日に専修大学で行われた「市民のためのソーシャル・ビジネス入門」の公開講座で、日本理化学工業の大山泰弘会長が特別講演を行いました。日本理化学という、全国的に有名な企業が川崎市高津区にあります。エコで安全しかも粉のでない「ダストレスチョーク・キットパス」と「障害者雇用」で有名ですね。

もう70歳は過ぎた(80歳過ぎ?)であろう大山会長は、やさしい口調で語り始めました。日本理化学工業は全従業員74人中55人が知的障がい者(内26人がIQ50以下の重度の障がい者)が働いている、学校で使うチョーク製造を主とした会社です。「大きくしようにも大きくなりようもないチョーク屋」と会長は笑顔で語ります。
 
会社創立は昭和12年、知的障がい者の雇用は昭和35年がスタートでした。障がい者が通う学校の教員から「卒業後、親元を離れ、地方の施設で一生を終えるであろう子どもたちに労働の経験をさせたい。思い出だけでいい」と押し切られたのがきっかけ。「ボランティア」なんて言葉すらない時代だったかもしれませんね。その時、15歳の女子2人の障がい者が、実に丁寧に仕事をしたそうです。もちろん、マイペースで。その姿に心打たれた従業員から泣き落とされ、会長(当時、専務だった)は、やむなく雇用したのが始まりだそうです。
 
ある時、偶然、隣り合わせた禅宗のお坊さんに障がい者を雇用した世間話をすると、
お坊さんは、「人間の究極の幸せは、なんだと思いますか?」と会長に問うたそうです。
 
それは、1つは愛されること、
2つ目はほめられること、
3つ目は人の役に立つこと、
4つ目は人に必要とされることの4つです。
 
「障がい者の福祉施設で大事に面倒をみてもらうことが人間としての幸せではなく、働いて役に立つ会社こそが人間を幸せにするのです」と教わったそうです。
その後、作業を簡略化し、効率を高めるためのさまざまな工夫を凝らし、障がい者が能力を生かして働くことのできる環境と作業を組み合わせ、今の会社の姿になっているとのこと。大山会長の静かな口調が印象的でした。
 
そうそう、最初に雇用したという女の子は、現在67歳。そのお母さんは92歳になるそうです。67歳の女性は、障がい者として周囲の助けを受けながらも、自分の母親の面倒を見て暮らしているそうです。
そして、同社「キットパス」は川崎市内の郵便局で販売を始めたそうです。お近くの郵便局で買えるようになったそうですよ。(N)
 
日本理化学工業の障がい者雇用
http://www.rikagaku.co.jp/handicapped/index.php