暮らしのコラムタイトル
紅葉には早い、軽井沢に出かけました。昭和16年に世田谷等々力渓谷に、モダニズム建築家・坂倉準三氏が設計した「旧飯箸邸」が、石1つも残さず移築され、当時のままにレストランに再建されています。樹木が茂る芝生の庭に面した築77年の建物で、味わったランチも格別でした。
鶴川駅徒歩10分圏に茅葺古民家が3軒あります。「旧白洲邸武相荘」は、夫妻の文献や書籍を中心に広く紹介されています。次に、築150年の「みんなの民家」は竈(かまど)もある農家で、庭先を含め昔の農作業を彷彿とさせてくれます。そして、10年前に萱を葺き替え、サロンで住まいと建築に関する催しを開催している築150年の「可喜庵」。これらは鶴川の暮らしと建築のルーツを大いに感じられる建物です。
新築かリノベーションを考える人は、3つのカテゴリーに分類できると思います。敷地が道路に2m以上接していないなど法的に難がある場合と、予算的に新築が無理な場合。そして、内と外の壁が板張りで建築は古びれたとはいえ、暮らしの思い出が詰まった家を残して住みたい場合です。
完成時が最も美しいと思える家が当たり前になり、結果、壁紙を変えるだけなどの化粧直しを要求するような家もあります。一方、暮らしの経過につれて住人の手が加えられた家は、記憶に残り愛着も増します。経年しても価値がある家は、暮らしの変化に応えられるシンプルなプランを持ち、構造柱や梁のキズさえもきれいに思えるような、時とともに味わいを増す素材の家でしょう。
 
 
鈴木代表
鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 代表
一級建築士
 
株式会社 鈴木工務店
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