暮らしのコラム 住まい
 
総務省統計局平成25年住宅・土地統計調査によると、全国の総住宅数は6,063万戸で、5年前に比べ305万戸(5.3%)増加。しかし、空き家数は820万戸と、5年前に比べ63万戸(8.3%)増加し、空き家率(総住宅数に占める割合)は13.5%と0.4ポイント上昇して過去最高です。古い住宅地では雨戸の閉まった住宅を多く見掛けます。今後、空き家はさらに増えるでしょう。
「リフォーム」と「リノベーション」に違いはあるのでしょうか。「老朽化した建物を建築当初の性能に戻すこと」、例えばキッチンを新品に交換する、汚れた壁紙を張り替えるなどの小規模な修復はリフォーム。リノベーションは修復だけでなく、「用途や機能を変更して性能を向上させ価値を高めること」で、より良く作り替えるという目的が含まれます。間取りや使用目的の変更を伴う改修となり、仮住まいをする規模です。住宅の耐震・温熱性能が基準を満たしているなら、メンテナンスを兼ねたリフォームも良いでしょう。もし基本性能が劣っているのであれば、水回りなどの見た目を良くするのではなく、自然災害時にも安全で、冬温かく夏涼しい温熱環境を向上させるリノベーション的改修がおすすめです。これからの季節、冬温かい家は行動範囲を広げ、健康にもプラスになります。重要部位の外壁・窓・基礎・屋根は定期点検を行い、内装や設備はきれいにすることを心掛ければ、リフォーム・リノベーションは先に延ばせますし、取り返しがつかなくなる前に手を打てます。点検することが、家を長く快適に住み継ぐための簡単で確実な方法です。
 
 
筆者:鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 代表
一級建築士
 
株式会社 鈴木工務店
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