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【住まいのいいね!】水源税


 

日に日に山の緑が濃くなる相模原市青根地区の伐採現場を訪れました。下草刈りや間伐で手入れされ、山が美しくなった様子が分かります。道路に面し作業も容易な場所との話でしたが、急斜面での作業は慎重さを要していました。
家を一軒建てるには、約15〜20平方メートルの木材を使用します。木材の乾燥度は施工精度により異なり、乾燥度が低いと木材に狂いや割れが生じます。最近は人工乾燥の技術が進歩し、工期の短縮もあって、乾燥材が選ばれています。土場に整然と並ぶ天日干しの木材は、木の本来の色艶や強さを活かす天然乾燥材です。2世代以上の時と人手を掛けて用材になります。
戦後に植えられた木の多くが50年生以上になり、日本の山は成熟していますが有効に使われていません。その理由の一つが大幅値下がりした材価です。ピークの1980年に比べ、杉の価格は11%、檜の価格は16%。これでは木を切るほどに山が疲弊してしまいます。また、山は良質で安定的な水を確保する上で必要ですが、水源の森林エリア内の私有林の多くが、適切に管理・整備をされていなそうです。そこで神奈川県は、水源かん養林など公益的機能の高い「豊かで活力ある森林」を目指し、「水源税」を平成19年に導入。10年が経ち、さらに5年の延長を決めました。この水源税の活用が、人の手で山を美しくし、街の暮らしを守ることにつながっていると思います。

 

鈴木 亨(株式会社鈴木工務店 代表 一級建築士)
文 ・ 鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 代表
一級建築士

 
 

株式会社 鈴木工務店
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TEL/042-735-5771
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