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【風のタイムトリップ vol.72】緑濃い多摩の丘に、 野生に近い姿で暮らす動物と人のオアシス


 

 小田急多摩センター駅から多摩モノレールで7分のところにある多摩動物公園は、今から約60年前に、檻がないことを観覧の基本として誕生した動物園だ。
 そもそも日本で、檻などに入れた動物を観覧するようになったのは江戸時代になってからのことだ。当初は、南蛮船で渡来した孔雀などの珍しい動物を見世物小屋などで展示していたが、江戸時代の末、福沢諭吉が渡欧して著した「西洋事情」の中で、西洋の近代的な動植物園を博物館という概念で紹介すると、1882(明治15)年、上野公園に博物館が開かれ、その付属施設として上野動物園が開園した。
 上野博物館はウィーンの万国博覧会へ出品するために日本で集められた物産が、一般の人々に公開されたもので、動物園も同じく日本産の動物が主体だった。1886(明治19)年に宮内省所管となってからは、トラをはじめとする外国産の珍しい動物が集められたという。
 第二次世界大戦が終わると、上野動物園の入園者数が増加したため、1958(昭和33)年、第2の上野動物園構想として、多摩郡七生村から寄贈された山林約28.7ヘクタール(現在は50ヘクタール以上)に、多摩動物公園が誕生した。
 園の誕生日ほど近い晴れた休日に、多摩動物公園を訪れる。思えばここに来たのは20年も前のことで、真っ先にコアラ館を目指した記憶があるが、その「オーストラリア園」には昨年からタスマニアデビルが仲間入りしていた。オランウータンの枝渡りを見せるスカイウォークや、モウコノウマがモンゴルさながらに走り回る「アジアの平原」などもここ十数年の間にできた大人気の施設である。多摩動物公園で現在飼育している動物は約320種を数えるが、動物をできるだけ自由な姿で展示するために、檻のかわりに壕で仕切り、広い放飼場に放養形式で展示をしている。また野生で群れをつくる動物は、なるべく群れで飼育しているともいう。5月の気持ち良い新緑の中、ゆったりと暮らす動物たちの愛嬌のあるしぐさを見ていると、子どもならずとも心から癒された。

 

オランウータン
大人気のオランウータンのスカイウォーク

 

西郷南洲留魂詩碑
ダイナミックな水浴びも見られるインドサイ

 

レッサーパンダ
間近で見られるレッサーパンダ

 

モウコノウマ
モンゴルの平原を思わせるモウコノウマ

 

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