麻生区・新百合ヶ丘エリアの地域情報紙 マイタウン > 連載・コラム SERIES > 風のタイムトリップ > 【風のタイムトリップ vol.69】甲州道中、駒木野の集落にある「高尾駒木野庭園」

連載・コラム SERIES

【風のタイムトリップ vol.69】甲州道中、駒木野の集落にある「高尾駒木野庭園」


 

 江戸時代の五街道のうち、日本橋を起点に下諏訪へと至る「甲州道中」は、現在の甲州街道(国道20号)より北側のルートを進み、「小仏峠」を越えて武蔵国から相模国に入っていた。
 小田急線・町田駅からJR横浜線に乗り換え、終点の八王子駅からJR中央本線に乗ると約10分ほどで髙尾駅に到着する。駅前の国道を高尾山の方に歩き、高架をくぐった先の「西浅川」の二股を右方向に行くと、甲州道中の武蔵国最後の宿場である駒木野の集落が始まった。「駒木野宿」はかつては小仏峠にあった「小仏関所」が江戸時代、この地に移されたことに伴ってできた簡易な宿場であった。今となってはもうその名残をとどめるような古い家屋は残されていないが、静かな通りを歩いてゆくと、立派な木造の門構えを持つ「高尾駒木野庭園」という庭園を見つけた。
 駒木野庭園は、もともと1927(昭和2)年からこの地で開院していた「小林医院」の院長宅を八王子市が整備したものである。同院はそののち小林病院、駒木野病院と改められ、院長宅は1974(昭和49)年からは裏高尾診療所として、住居兼用で25年間開院した。そして2009(平成21)年、「既存施設を極力残し、利用してほしい」という意向とともに八王子市に寄贈された。これを受けて市は、昭和初期建築の貴重な家屋の外観を残したまま、水回りなどの一部を改修した。そして敷地内に枯山水や露地、池泉回遊式の本格的な日本庭園を整備し、2012(平成24)年に「高尾駒木野庭園」として開園したのである。
 園内に踏み入れると、そこかしこに設えられたベンチでは、付近の散策の途で立ち寄った人々がお茶を飲んだりお弁当を広げて語らい合っている。早春の日差しの中に、梅や椿、水仙やマンサクなどの花々が咲いて、本当に心が和む風景だ。ここでは懐かしい昭和の香り漂う館内でもお茶が飲めるようになっており、抹茶と和三盆のセットやコーヒーと高尾ポテトのセット、煎茶とおかき、ゆずや梅ジュースなどのメニューがある。入館料は無料なので、甲州道中の散策の途にぜひ訪れてみてほしい。

 

旧小林医院の建物
旧小林医院の建物(高尾駒木野庭園)

 

ロウバイ
庭園内のロウバイ

 

スイセン
庭園内のスイセン

 

抹茶セット
抹茶セット

 

風のタイムトリップ地図

カテゴリー
CATEGORIES

連載・コラム SERIES