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【麻生の人 vol.1】地域医療に誠実に向かい合う医師 〜龍 誠之助さん・祥之助さん


龍 誠之助さん・祥之助さん

新百合ヶ丘 龍クリニック

龍 誠之助さん・祥之助さん(麻生区在住)

 

〜 マイタウンホームドクター掲載第1号 〜

 

“まちのお医者さん”として親しまれている「新百合ヶ丘 龍クリニック」は8月に、開院から31年を迎える。開院当初から内科、婦人科を担当してきた龍誠之助さん(70)が第一線を退き、長男の龍祥之助さん(38)が院長を引き継いだ。長らく地域の人たちの健康を支えてきた誠之助さん、新院長の祥之助さんに、発展を続ける麻生区を医師として見守ってきた思いを聞いた。

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新百合ヶ丘駅から徒歩10分、世田谷通り(津久井道)沿いに病院を開いたのは、1980年8月のこと。
当時、通勤で小田急線を利用していた誠之助さんが、たまたま降り立った麻生区古沢の地が気に入り、すぐに開院を決めたという。知り合いもいない、何のツテもない土地だった。小児科医の妻・綾子さんと診療を始めたが、「最初は地元のこともよく知らず、行き当たりばったり。患者さんが日に1人や2人のこともありましたよ」と開院当時を思い起こして笑う。病院から見える景色も、今とはずいぶん違っていたようだ。「駅は山の中。周辺の商業施設もなく、北口を出ると辺り一面竹やぶでした」と振り返る。また、診察の面では「病気に対する意識が乏しい時代だったのか、来院した時には重症化してしまっていることも多かった」と苦労を明かす。
1983年3月から本紙の健康コラムを執筆。第1回のタイトルは「春先の病気」について。地域のドクターが、自らの言葉で地域に健康情報を発信すると言う新しい試みに対し、毎月欠かさずに原稿をいただいてきた。同健康コラムも6月から祥之助さんが引き継いでいる。

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この30年で街は大きく変化した。
麻生区が多摩区から分区した1982年には10万人足らずだった人口も、現在は16万6千人にまで増えた。また、市区町村別の平均寿命を見ると、男性が81.7歳で全国2位(1位は横浜市青葉区)、女性も87.3歳で26位(2005年厚生労働省調べ)とのデータもあり、健康面で優等生が多いのも特長のようだ。地域医療を担ってきた1人でもある誠之助さんは「区民らの健康への意識が高くなってきたように感じます」と喜んでいる。

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「これまで患者さんの病気を治すことができたときや、早期発見ができたとき、医師として最大のやりがいを感じてきました」と穏やかな笑顔で話す誠之助さん。『誠実な医療』を心掛けてきた誠之助さんが古希を迎えたのを機に院長の交代を決めた。小児科医の綾子さんは、もうしばらく新院長を支えるという。
この意思を受け継いで4月から新院長となった祥之助さんも、地元への思い入れは深い。「子どものときからの知り合いや、一家3代にもわたって通ってくださる患者さんもいます。実際に診療を始めてみると、約30年も続くカルテに歴史を感じています」と話す。大学病院で心臓を専門として治療に当たってきた祥之助さんは、「大学病院での経験を生かしながら、常に新しい医療を地域に提供できるように努力していきたい」と静かな口調で語った。

 
 

対談の様子
左が前院長の龍誠之助さん、右が新院長の龍祥之助さん。祥之助さんは、父祖19代目の医師にあたる。

 
外観
古沢の交差点近くにあるクリニック

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