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【麻生の人 vol.3】「おかえり」と迎えてくれる心のふるさと青森へ 〜澤 淑子さん


澤 淑子さん
身障者地域リハビリ教室 さわやか会

澤 淑子さん(麻生区在住)

 

〜 「じょっぱり隊」と楽しむねぶたは、障害をもったあとの人生を輝かせた 〜

 

閉じこもりがちな高齢者や障がい者が偏見に屈せず、自己主張を続けてほしい、また相互に支え合う心を育んで欲しいという願いが込められ、「じょっぱり隊」(津軽地方の方言で意地っ張りに近い意)と名付けられた。

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8月、麻生区在住の澤淑子さん(76)は青森ねぶた祭に参加した。左半身に麻痺がある澤さんは、障がい者の車いすでのねぶた参加を支援する「じょっぱり隊」の支えを受け、今夏で16回連続参加となった。

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じょっぱり隊は、筑波大の紙屋克子名誉教授の呼びかけで、1996年ごろ青森県東津軽郡の福祉施設「清風荘」を事務局に発足。日本の火祭り「青森ねぶた」を沿道から見るだけではなく、高齢者や障がい者が祭りに参加することを支援してきた。四肢まひなど重度障がいを持つ人もいて断る連が多い中、青森菱友会の蓮だけは「我々も年を取ったり障害を持ったりして、ねぶたに参加できなくなるのは悲しい」と受け入れを決めてくれたという。
今年までに、参加者は延べ470人ほど、延べ3,500人以上ものボランティアが活動を支えている。同隊の継続的な活動が認められ、平成18年度バリアフリー化推進功労者表彰、内閣府特命担当大臣賞を受賞。認知度が上がるに連れ、宿泊先や自治体などの協力も増えた。

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澤さんが脳梗塞を発症したのは、1987年。テニスを楽しんだ後、1人で自宅にいるときに身体の異変に気が付き、友人と一緒に病院へ向かった。早期発見を発症場所が幸いし、リハビリの甲斐もあって、車いすに乗らずに日常生活が遅れる。懸念された言語の障がいはなかったが、右半身にマヒは残っている。
関西出身の澤さんは、青森に親類や友人がいるわけではない。なぜ、16年も通い続けるほど青森ねぶたに惹きつけられるのか。「不思議とエネルギーをもらえるんです。全国からの参加者と触れ合え、多くの人と語り合えてる。『おかえり』って迎えてくれる人たちに会うことは本当に幸せ」と澤さんの声が弾む。
3月11日の東日本大震災。清風荘に津波の被害はなかったものの、職員らは翌日から近隣施設への炊き出しや支援に追われた。テレビで惨状を観るにつれ、「今年は、無理かも…」と心配していたところ、「例年通り開催」の連絡が入ったという。
「震災後のねぶたは、特別な思いが醸し出されていました。沿道の方々との一体感は、これまで感じたことの無いほど強いものだったんです。後で話をした事務局の方も同じように感じていらっしゃった」と話す。

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脳梗塞を発症して24年。麻生区で身障者リハビリ教室「さわやか会」を立ち上げて23年になった。さわやか会の活動は月1回、「心をひとつにふれあいコンサート」(2011年10月1日開催)は年1回開催している。さらに市内全域の「かわさき七和会」の活動は約10年となり、麻生リハビリ総合病院の協力も得て、当番制カウンセリングのボランティア活動も行っている。
澤さんは青森でエネルギー補給をしている。麻生区でノーマライゼーションを地域に根付かせる活動の源のように思えた。

 

ねぶたの様子
学生ボランティアとねぶたを楽しむ澤さん(写真右下)

じょっぱり隊ガイド
 
 

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