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【麻生の人 vol.4】農家の「やりがい」と消費者の「おいしい」をつなぐ 〜桐生 榮子さん


桐生 榮子さん
大型農産物直売所「セレサモス」店長

桐生 榮子さん(麻生区内勤務)

 

〜 地産野菜の出荷率70%を超え、全国のJAが注目するセレサモス 〜

 

新鮮で安心、安全な地元の野菜や果物が手に入ると評判の大型農産物直売所「セレサモス」(麻生区黒川)。開店から3年半のこの店で、女性初の店長となったのが桐生榮子さん。明るい笑顔でテキパキと働く姿が店に活気を生んでいる。

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桐生さんは今年4月、県下ファーマーズマーケットとしては初の女性店長になった。「生産者が丹精込めて育てた農産物の良さを知らしめたい、売り切りたい」と、まず取り組んだのが情報の発信。同店には毎朝、生産者が収穫したての農産物を持ち込み価格を付ける。地場産野菜中心の販売のため、収穫の時期が重なると出荷量が偏って売れ残りが出たり、逆に不足したりするという悩みがあった。そこでこれらを改善するために、その日どんな品物がいくらで売れたのかなど、生産者が必要としている情報を携帯メールで配信し始めた。すると、計画的出荷の参考になると好評で、生産者自身が品物の種類や時期を工夫する計画的作付けが一層すすみ、野菜などを出荷するのにも意識に変化がおきているという。「品薄になりがちな端境期の解消につながっているだけでなく、生産者の意欲が向上しているのがうれしい」と声を弾ませる。

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また、「接客が大好き」と話す桐生さんは、店長になる前と変わらず、空いている時間は店に出て、“情報交換”を大切にしている。買い物客が品物を手に取って迷っている姿を見かけたら、そっとそばに寄ってその特徴や調理の仕方を伝える。その姿は、おしゃべりするように自然だ。「『初めて来ました』と言われたら、店内をぐるり一周して全部ガイドしますよ」と笑顔を見せるほど店への愛着もひとしお。「地場産野菜をできるだけおいしく食べていただきたいんです。スタッフや私が紹介した野菜の味や料理の感想を後日聞かせてくださるお客様もいて、ちょっとした声掛けが次の来店につながっていると感じます」と笑顔を向ける。

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「セレサモス」は開店以来、順調に客足が伸びている。昨年度の来場者は1日平均1,070人だったが、今年の4月から6月の平均はすでに1,184人と盛況だ。7月にはレジ通過者(来場者)が100万人を突破。11月初旬には、店舗増築と駐車場拡張工事も完成し、目標としている川崎市の総人口約143万人を超える日も遠くなさそうだ。また同店ができたことは、都市農業と言われる川崎市の農業全体に明るい変化をもたらした。オープン当初283人だった出荷登録者は、現在408人になり、就農する若い人たちも少しずつ増えているという。「20代の息子さんを含めた親子三代で農産物を出荷しに来る人もいる。売り上げが数字で表れ、成果が目に見えることが作り手のやりがいになっているのでしょう」。

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桐生さんはJAセレサ川崎に入社してから、金融部門、生活福祉部門などに長く在籍。料理の知識が深く、加工品にも精通しているなど仕事の幅が広い。これらの経験を生かして、これからは生産者と消費者の距離が近い店だからこそできることを探していきたいという。「生産者である農家と消費者である地域の人たちが直接触れ合う機会が増えていけば、消費者のニーズに合った品物が並ぶだけでなく、地域の農業が活性化していくことにもつながるのでは」と先を見据える。店一番の元気と細やかな気配りで、生産者と消費者をつないでいる。

 

拡張工事の様子
店舗西側の駐車場は完成間近。渋滞解消へ積極的に取り組む。

 
 

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