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【麻生の人 vol.20】かけがえのない日常を感じる舞台に 〜ふじた あさやさん


ふじた あさやさん

劇作家・演出家

ふじた あさやさん(麻生区在住)

 

〜 試演会が目前に迫る市民劇『わが町しんゆり』を演出 〜

 

 昨年6月にオーディションで選ばれた4歳から74歳までの市民約50人により結成された「劇団わが町」が、市民劇『わが町しんゆり』の3月の試演会、6月の本公演に向けて本格的な稽古に入っている。同舞台は、米国の劇作家ソーントン・ワイルダー原作の『わが町』を、劇作家・演出家ふじたあさやさんが翻案したもの。脚本、構成、演出も手掛けるあさやさんに、この作品ならではの面白さ、同劇団にかける思いを伺った。

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 早稲田大学演劇専修在学中の作品でデビューしたあさやさんは、放送作家を経た後、劇作家・演出家として活躍してきた。日本演出者協会理事長をはじめ、多くの演劇関係団体の役員を歴任し、現在は昭和音楽大学客員教授、アシテジ(国際児童青少年演劇協会)世界理事、NPO法人KAWASAKIアーツ理事長として尽力。2006年には川崎市文化賞を受賞している。 今回の市民劇は、「しんゆり・芸術のまち」の文化振興の拠点、川崎市アートセンター設立時から地域の人たちが活躍できる舞台として検討されてきた。もちろん会場は同センター・アルテリオ小劇場だ。「この地域は文化レベルが高い。見る側だけでなく作る側にもなりたいのではと狙いをつけていた。自分たちで作ることによって、より演劇に通じる観客に育ち、ひとつの芸術運動が完成する」とあさやさん。米国版『わが町』を演じながら、ところどころをこの地域の人や地図が重なって見えるように置き替えるという新しい試みをすることで、国や場所を問わず、人間の日常生活はかけがえのないものだとしみじみ感じてもらえるような芝居にしたいという。
 稽古に関しては、「いきなり高い目標を掲げるのではなく、一人ひとりの持っている良い部分を引き出して意欲を発揮出来るようなワークショップにすることで、飾らない裸の自分をさらけ出させることができる。芝居は本音が裏打ちされていなければ、人の心を打つことはできない。本音が出せるようになれば役の中に自分の気持ちを見いだし、自分のこととして表現できるようになる。年代の異なる人たちと付き合える環境もとても大事。年齢を超えた関係を築くことは、地域が育つということだと思う。今のメンバーを1期生として柱にし、ここから全国に発信できる演劇を作っていきたい」と語る。
 劇団員からは、「どんなに馬鹿なことをしても褒められ、生まれ変わるような気持ちになる。稽古によって自ら掴んでいくことの大切さを知った」と敬愛されるあさやさん。地元の人が大勢出てくるような芝居を考えたいと、次回の企画に向けても意欲的だ。わが町から生まれた、あさやさん率いる劇団の今後の活躍に期待したい。
※『わが町しんゆり』詳細はマイタウン2013年2月15日号2面、催し欄参照。
 

稽古の様子
川崎市アートセンター・アルテリオ小劇場で『わが町しんゆり』の稽古をするふじたあさやさんと「劇団わが町」のメンバー

 
 

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