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【麻生の人 vol.35】ティンパニ人生50年 〜野口 力さん


野口 力さん

東京音楽大学名誉教授

野口 力さん

 

〜 打楽器奏者を志す若い人たちに伝えたい 〜

 

日本を代表する名ティンパニスト・野口力さんが、昨秋白熱の回想録「交響的一撃」を出版。自らが歴史的名音楽家らと体験してきたことをきちんと伝え残しておこうと手掛けた、少々過激な内容が大評判となっている。日本のオーケストラの胎動期から活動を始め、ティンパニ奏者として歩み続けた50年とは…。

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子どもの頃シューベルトの未完成交響曲を聴き、オーケストラに目覚めた野口さん。国立音楽大学に入りホルンを専攻したが、鉛中毒で歯を痛めて打楽器奏者に転じ、小森宗太郎氏に師事した。
25歳で東京フィルハーモニー交響楽団に入団。その後ABC交響楽団、読売日本交響楽団などで圧倒的存在感のあるティンパニ奏者として活躍する一方、早稲田・学習院・東大・他多くの大学で打楽器トレーナーを務め、東京音楽大学では教授として後進の指導にあたった。「アマチュアは技術的には未熟な部分があるが、音楽をやりたい、オーケストラをやりたいという情熱はプロに劣らず、教えがいがある」と野口さん。
1983年には「麻生フィルハーモニー管弦楽団」の立ち上げに尽力。多岐にわたる活動の中で時間を捻出し、演奏指導にも携わった。「麻生区は当時から、文化的な物を受け入れようという人が多い恵まれた地域だった。自分も音楽文化という大きな財産をいろいろな指導者から教わった。作品を再現することと同様に、こうした財産を次の世代に伝えるのも大切なこと。譜面に書かれていることが100%ではない。どんな音を出し、他の楽器の音と溶けあっているか確かめながら、芯のある良い音を追い続けていってほしい」。

 

著書「交響的一撃~野口力のティンパ二50年」
著書「交響的一撃~野口力のティンパ二50年」(中央アート出版社)その一撃がオーケストラ全体に大きな影響を与えていることから、ティンパニは第2の指揮者と言われている。

 

出版記念パーティーにて
麻生フィルハーモニー管弦楽団のメンバーと、著書の出版記念パーティーにて 撮影/久保昌一(NHK交響楽団首席ティンパニ奏者)

 

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