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【住まいのいいね!】熊本地震


 
 熊本地震から約3か月が過ぎた7月8日・9日の2日間、震度7の強い地震に立て続けに襲われた熊本県益城町を視察しました。熊本空港周辺は震災被害は見られませんでしたが、空港から車で約20分程の益城町に近づくにつれ道路が波のようにうねり、倒壊・全壊した家々が目に入ってきました。益城町では最も被害が大きかった3つの地域を回り、地盤の質により被害の程度に差があることに気づきました。断層があり地盤が動いた地区では、もちろん大きな被害がありました。しかしそこから車で数分の田んぼの中には、屋根瓦が一部落下した程度で見た目には無傷の農家が建っていて、その違いに驚きました。昭和56年の新耐震基準以前に建てられた築年数が古い家、特に瓦屋根の家、メンテナンスがされていなかった家は大きな被害を受け、居住不可な状態か倒壊しています。ブロックが一部壊れ、玄関前階段と建物の間に亀裂が走っているような地区には、全壊した木造の家と居住できる家が並んで建っていました。全壊した家の外壁の中を覗くと、力が分散する構造合板はなく、筋違(すじかい)のみでした。構造合板が地震に有効なのでしょう。全壊した鉄骨造の家もありますが、力の流れを無視した設計に問題があったと思われます。今回は2000年の新々耐震基準以降に建てられた家でも大きな被害を受けたところがありました。一度、耐震診断をされることをおすすめします。
 
 
鈴木 亨( 株式会社鈴木工務店 代表 一級建築士)
文 ・ 鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 代表
一級建築士
 
 
株式会社 鈴木工務店
住所/町田市能ヶ谷3-6-22
TEL/042-735-5771
URL/http://suzuki-koumuten.co.jp/

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