麻生区・新百合ヶ丘エリアの地域情報紙 マイタウン > 連載・コラム SERIES > 風のタイムトリップ > 【風のタイムトリップ vol.1】時空を越える散歩道 小沢城址をめぐる

連載・コラム SERIES

【風のタイムトリップ vol.1】時空を越える散歩道 小沢城址をめぐる


 
 4月初旬、菅仙谷の丘陵地に佇む「小沢城址」を訪ねる。
 小沢城は平安末期、稲毛庄小沢郷の領主であった稲毛三郎重成によって築かれた山城だ。ここは当時、鎌倉街道が通る交通の要で、北側には急な断崖と多摩川の流れがあり、敵が簡単に攻め込めない天然の要害となっていた。つまり小沢城は鎌倉幕府にとって北の重要な軍事拠点だったのである。 
 小沢城址へは、菅仙谷の民家脇の小路や菅城下の旧三沢川にかかる指月橋附近など、何ヶ所か登山口があるが、城址碑が建つ広場へは、京王よみうりランド駅近くの穴澤天神社の境内から天神坂を上っていくと最も近い。  
 天神坂とは二代目城主、小太郎重政(稲毛三郎の子)が日々天神社に通ったことに因んだ名前だ。広場には背の高い木々から木漏れ日が差し込み、ベンチではお弁当を広げる人の姿も見られる。
 城の歴史の説明板には「小沢城は鎌倉から戦国時代にかけて、度々合戦の舞台となり、廃城後は江戸時代、富士山信仰の対象となった」と記されていた。
 天神山と浅間山(共に標高87m)の二つの峰を中心に広がる城址は、軽装で気軽に歩ける多摩自然遊歩道が巡らされており、歩きながら空堀、馬場跡、井戸跡、台場、物見台などの遺構を見ることできる。遊歩道の至るところには、現在、城址の緑地保全管理を行っている「里山の会」による案内板が建てられており、何百年も前の城の様子を思いめぐらすことができて楽しい。
 丘陵には城址の他、「富士塚」(富士山信仰の名残)や「鷹匠の定宿」(江戸幕府の鷹場だったことから)、戦時中の防空隊の探照灯台などと、何世紀にも渡る史跡が点在し、まさに時空を越える散歩が楽しめる。
 
きたん坂
きたん坂
 
天神坂
天神坂
 
城址中心
城址中心
 
探照灯台
探照灯台
 
馬場跡
馬場跡
 
風のタイムトリップ 第1回地図

カテゴリー
CATEGORIES

連載・コラム SERIES