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【住まいのいいね!】もう一つの選択


 
 戦後長いこと新築住宅神話が続きましたが、バブル崩壊と少子高齢化で新築着工数は減少しています。近頃は、親や祖父母の家、または購入した中古住宅をリノベーションするという、もう一つの選択をする人が増えています。
 リノベーションを考える理由としては、(1)親や祖父母の家に愛着がある、(2)法律上の問題があり建て替えが難しい物件、(3)予算の問題の3つに分けられると思います。子どもの頃の思い出が詰まっている祖父母の家をリノベーションしたいと言う30代の施主もいましたし、親の家は接道不足や建蔽率の関係で元の大きさでの建て替えが不可能だったため、リノベーションを選んだ施主もいました。また予算の面では、温熱環境や耐震性能を向上させると、極端に安くはならなくても総額を抑えることができます。
 2013年の統計によると総住宅戸数の13.5%、約820万戸の空き家が全国に存在します。リノベーションのメリットとしては、駅近物件を選ぶことができたり、暮らしに合わせて好みの味付けで改造を楽しめたりすることです。建物の構造が今の基準に合致して安全なのか、夏・冬に快適に暮らせる温熱レベルにすることが可能なのかという点は確認が必要ですが、住み手の暮らしに合わせることは新築以上に自由にできます。住宅の資産価値が下がり続けるこの国では、リノベーションは価値ある選択かもしれません。
 
 
鈴木 亨( 株式会社鈴木工務店 代表 一級建築士)
文 ・ 鈴木 亨(すずき とおる)
株式会社鈴木工務店 代表
一級建築士
 
 
株式会社 鈴木工務店
住所/町田市能ヶ谷3-6-22
TEL/042-735-5771
URL/http://suzuki-koumuten.co.jp/

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