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【麻生の人 vol.56】思いやりと優しさこそが人生の光〜 佐藤 重直さん


佐藤 重直さん
映画監督・日本映画監督協会理事
佐藤 重直さん (麻生区在住)
 
 昨年11月から岡上分館で「演劇で地域を元気にしよう」という講座が開催されている。講師を務めるのは、今も人々の心に残る青春ドラマ「ゆうひが丘の総理大臣」「熱中時代」などで監督・演出を務めた佐藤重直さん。

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 1940年岡山生まれ。軍人の父は満州で捕虜、母とは帰国の船上で死別。激動の時代、劇場経営をしていた祖父母が佐藤さんを育てた。医者を目指し浪人中、魯迅の「肉体の傷を治すより、心の傷を治すべきだ…」という言葉に打たれ、医学の道を断念し「表現者」の道に方向転換。早稲田大学第1文学部国文科に進み、サークル劇団「こだま」に所属。リーダーとして久米宏、村野武範、長塚京三ら後輩を演技指導。1964年の卒業後、新東宝撮影所(現・国際放映)に入社し、その後、日活撮影所に移籍。助監督として多くの名監督の元で修業を積むが、東京オリンピックを境に世の中がテレビに移行。佐藤さんも監督として多くのテレビ映画、テレビドラマの演出をするようになった。その頃親交の深かった渥美清、石原裕次郎、萬屋錦之助らから真心を尽くし思いやることの大切さを意識するようになり、それらは佐藤さんの礎となって生涯の活動を支えていくこととなる。
 「子連れ狼」「俺たちの旅」「ゆうひが丘の総理大臣」「熱中時代」「午後は○○おもいッきりテレビ」などの監督・助監督・チーフディレクターを務めてきた佐藤さん。「高度成長期に、お金や力より大切なものがあるという世界を描きたかった。現在はスマホなどに夢中になりすぎて会話・思いやり・他人に興味が無い人が増えている気がする。もっと温かさがにじむようなものを…」と始めたのが講座「演劇で地域を元気にしよう」。40年前都内から越してきて以来、この地を第2の故郷のように感じながらも地域での活動は初めて。「全身で表現することで、人と人がつながり心豊かな人生が送れるようになってもらうことが私たちの務め。子どもたちには自分を信じ、挫折しても何度でも立ち上がり大きな夢に向かって進んでほしい」。佐藤さんの情熱は続く。
 
講座の様子
講座「演劇で地域を元気にしよう」では遠方からの受講者も多く、佐藤さんの作品から人生の光をもらったと憧れの監督による指導に涙する人も。
 
大島渚復活記念パーティー
1990年大島渚復活記念パーティーにて。大島監督に頼まれ、現在まで30年以上日本映画監督協会の理事を務めてきた佐藤さんは、業界の底上げにも尽力を続けている。
 

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