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【風のタイムトリップ vol.56】「暴れ川」に作られた調整池公園と水車橋に伝わる昔話


 
 麻生区と町田市の境を流れる鶴見川は、その昔は蛇行して流れていたため、大雨のたびに氾濫を起こし、流域の住民からは、「暴れ川」と呼ばれ恐れられてきた。このため県は1973年から4年の月日をかけて鶴見川を整備し、現在の亀井橋の袂に「恩廻(おんまわし)公園調整池」を建設した。調整池は長さ600メートルほどの地下トンネルで、2台の排水ポンプにより洪水時の水を一時的に貯留することができるという。この改修によってできた長さ800メートル、面積2ヘクタールの旧河川敷には、地域住民のための憩いの広場が作られ「恩廻公園」と名付けられた。運動施設などもある公園では、今も自治会のイベントやお祭りなどが催されている。

 恩廻公園の入り口から園内の遊歩道を歩いていくと、再び川沿いの道に出るが、鶴見川と麻生川との合流地点近くに「水車橋」と書かれた橋がある。ここには、昭和の初めまで水車小屋があり、直径5メートル以上の水車が稼働していたという。そしてこの水車小屋には「人を化かすかわうそ」の民話が言い伝えられている。それはこんな話である。

 「昔、この水車小屋では、時間制で昼夜、麦を挽いていた。ある晩、草木も眠る丑三つ時に、一人の村人がリヤカーに麦を積み、びくびくしながら水車小屋に向かって歩いていた。すると、道の真ん中に何かが立ちふさがっている。よく見ると、この辺では見かけないおばあさんだった。村人は驚き、リヤカーを道の左側に寄せて通ろうとした。ところがおばあさんも同じく左へ寄って道をふさいだ。村人は気持ち悪くなって、リヤカーを引いたまま、その場を駆け抜けた。そして翌朝、そのことを村の人たちに話すと、それは鶴見川に住むカワウソが化けたんだと笑われたとさ」

 現在の水車橋附近には、そんなお化けが出るような気配すらないが、少し山側の小道を登って行くと、古い公民館や道端に石仏などが残され、昔懐かしい空気が漂う。
 
恩廻公園
鶴見川の旧河川敷に作られた恩廻公園
 
水車橋
民話が残る水車橋
 
石仏
附近の道端でみつけた心和む石仏
 
56回地図

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