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【風のタイムトリップ vol.21】多摩の「よこやまの道」古道が交差する歴史の道


 
 地図のない古代から中世にかけて、人々は離れた場所に出かける時、自分のいる位置と目的地との関係がわかるように、眺望が開けた尾根の上を歩くことが多かった。多摩丘陵の「よこやまの道」にはそうした古道跡が並行したり、交差している箇所が多い。前号で紹介した「防人見返りの峠」を過ぎると、よこやまの道はしばらく古代東海道(推定)と並走する。飛鳥時代後期から平安初期にかけて、府中の武蔵国府から相模国府の間の東海道は現在と異なり、この多摩丘陵を通っていたという。防人見返りの峠の南側に位置する黒川配水場の高台は土地の人々から「丸山城」と呼ばれ、物見やのろし台があったとも言われている。
 古道の面影を残す常緑樹の木立を抜け、国士舘大学の校舎とグラウンドの間をしばらく進むと古道五差路に出る。これらの道は交通の要衝だった小野路宿を通らずに鎌倉へ至る近道だったという。ほどなく現在の鎌倉街道を横断するが、この道路が作られた場所はもともと南北にのびた自然の谷で、当時は源頼朝や新田義貞、上杉氏らの大軍勢が通ったと伝えられている。給食センターの裏手を歩き、妙櫻寺の脇でバス通りへ出るが、恵泉学園大の手前に鎌倉古道の入り口があるので、入ってみることに。この道には小野路町に至る1キロに渡って今もU字型に窪んだ遺構が残され、当時の鎌倉街道上道本道と考えられている貴重な古道だ。木漏れ日と落ち葉の匂いがたちこめる静かな山道を歩いて行くと、左手に小道が分かれて行く。これが調布市方面へ至る布田道で、近藤勇が小野路の小島家に出稽古に通ったと言われる道だ。布田道を進んでいくと現れたのは、頭上を竹林に覆われ両側に岩壁がそそり立つ切り通し。昼間でも薄暗く古道の雰囲気がそこかしこに漂う。この辺りにはかつて関所があったと伝えられ、実際の地名も関屋と言う。切通しを越えて坂を下るとのどかな田園風景が広がり、心が和む。
 
布田道
布田道
 
布田道の切り通し
布田道の切り通し
 
布田道の田園風景
布田道の田園風景
 
風のタイムトリップ 21回地図

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